オックスフォード大学精神科からスピンアウトしたOxford VRは、VRを使った心理療法を開発している。高所恐怖症については臨床試験を開始し、強迫性障害や社会不安障害へと開発を進める。1000万ポンドの資金調達を行い、米国進出を目指す。
VR空間内でストレスを感じる環境を体験し、症状の改善を目指すプログラム
VR(仮想現実)はゲームに使われる印象が強いかもしれないが、医療向けの応用も進んできた。Oxford VRは没入感の強いVRを心理療法に適用している。患者は安全な仮想空間で、ストレスを感じる状況のシミュレーションを行い、その状況に慣れるよう努める。VR環境であれば、いつでもどこでも、その状況を再現できるので、患者にも医師にとっても負担が少ない。
深刻な高所恐怖症は、日常生活にも支障をきたす。Oxford VRは、2時間のVR療法により、患者が抱く恐怖感を平均して68%減らすという結果を得た。コスト面でも、臨床の観点からも、効果の高い治療が期待されている。
高所恐怖症に加え、強迫性障害や社会不安障害の治療法も開発中
Oxford VRは、高所恐怖症に加え、強迫性障害や社会不安障害に対する治療法の開発を進めている。VR空間内で他者と関わりを持つなど、いくつかのタスクをこなす中で、患者の行動履歴に基づいた治療を試みる。
英国NHS(国民保健サービス)から400万ポンドの助成金を得たVR開発プロジェクトを推進しているのに加え、ベンチャーキャピタルから1000万ポンドの投資を受けた。今後は、米国への展開や、さらなる疾病への応用を目指していくという計画が報じられている。
- Original:https://techable.jp/archives/117664
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:佐藤隆之
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