民間企業と同じく合衆国政府も今はワークロードをクラウドへ移す過程にあり、ともに同じような課題に直面している。米国時間2月25日、継続的デリバリーサービスのCircleCIが、AWS GovCloudとのパートナーシップを発表し、AWSの政府向けプラットホームを使っている連邦政府機関のアプリケーション開発のモダナイズを支援していくことになった。
CircleCIのCEOであるJim Rose(ジム・ローズ)氏は「サーバーをわが社のオンプレミスで動かし、それを政府の顧客がAWS GovCloud上の専用の純粋なクラウドリソース上で動かすかたちになる」と語る。
GovCloudは、専用のシングルテナントクラウドプラットホームであり、そこで政府機関はFedRAMP準拠の安全なクラウドソリューションを作ることができる。また、ほかのクラウドベンダーにも同様のサービスがある。FedRAMPは、政府のためのセキュリティスタンダードの集合で、クラウドベンダーが連邦政府の仕事をするときには必ず準拠しなければならない。
CircleCIは、開発チームに急速なサイクルでアプリケーションに変更を行うための継続的インテグレーションと継続的デリバリー(continuous integrationとcontinuous delivery、CI/CD)パイプラインを構築する。
「GovCloudがあることによって、政府機関が求めているオンプレミスと同じレベルのセキュリティとサービスを、専用のシングルテナントのクラウド環境で提供することができる」とローズ氏は説明する。
また、ローズ氏によると、クラウドアプリケーションの構築には多くのステップがあるが、同社が提供するのは継続的デリバリーのパイプラインという基本部分だけだという。他の関連サービスは提供しない。彼が言うように、1〜2年に1回アップデートするだけのレガシーなメインフレームアプリケーションならCircleCIの出番はない。しかし開発環境をモダナイズしようとしたときには、同社のサービスが大きな助けになる。
さらに 「現代的なクラウドアプリケーションの開発工程では、1日に数百回も変更を加えることがある。しかも多くの場合、変更のソースはとても多人数が関わっており複雑で、マニュアルな管理はほぼ不可能なのだ」とローズ氏はいう。
同社はかつて、中小企業庁(Small Business Administration、SBA)の仕事をしたことがあるが、今後はそのときと同じように、省庁を直接相手にすることになるだろう。またときには、システムインテグレーターやAWSも関わってきて、彼らが大きなRFP(業者への提案依頼書)に載っていることもあるはずだ。
政府の仕事では、そこから論争が生じる場合があることも、ローズ氏は承知している。ChefでもSalesforceでもGoogleでも、一部の社員が国防総省(DoD)や移民局(ICE)の仕事はしたくない、とごねたことがある。そこでCircleCIは、国民との対話を改善する意思のある省庁の仕事に集中し、他の省庁とはお近づきになりたくない、とローズ氏はいう。
「我々のような立場は、政府の問題に深く関われるわけではないが、彼らの一部になるのではなく、常に集団の先頭に立っていたい。商用の仕事でも、政府系の仕事でも越えてはならない一線というものを、常に意識していたい」と決意を述べる。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/02/26/2020-02-25-circleci-aws-govcloud-partnership-aims-to-bring-modern-development-to-u-s-government/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Ron Miller
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