AppleのiPhone生産における中国依存体制は当面変わらず

iPhone11
 
インドでiPhone生産を開始するなど、生産地の分散を図っているAppleですが、中国に大きく依存する現在の体制を変えるのは簡単ではないことが、Wall Street Journalの報道で明らかになりました。

ベトナムへの工場移転案は撤回

WSJによると、Appleでは2015年初め頃から、「少なくとも1製品の組立工場をベトナムへ移行」する案が浮上していました。ただしこれを実現するには、工場従業員のトレーニングや現地での部品調達システムを構築する必要があり、数年はかかります。
 
結局、中国からベトナムへの工場移転案は「リスクが高すぎる」として、Appleの幹部クラスから一蹴されたとWSJは伝えています。

インドでiPhone11を組み立てる計画は白紙に

一方でAppleは、一部の古い型のiPhoneをインドで生産しており、昨年にはiPhone11をインドで組み立てるという計画もあった模様です。
 
しかし関係者によると、工場労働者のスキルや生産ラインが、最新iPhoneの組み立てを任せられる水準に達していないと判断、Appleは結局iPhone11を中国で組み立てる決断を下したとのことです。

Appleの中国依存は当面継続か

そのため、新型コロナウイルス(COVID-19)により中国のAppleサプライチェーンは大きな影響を受けているものの、Appleが年内に、iPhoneの高額モデルを中国以外の国で生産開始する可能性は低いと、Foxconnの海外事業に詳しい人物の話としてWSJが伝えています。また同じ人物は、インドの工場労働者は有機EL(OLED)搭載モデルを扱うことができないとも述べています。
 
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「iPhoneは世界中のあらゆるところで作られている」と強調していますが、ハイエンドのiPhoneを含む大多数のApple製品が中国で組み立てられており、その状況は当面変わらないというのが事実のようです。
 
 
Source:Wall Street Journal via 9to5Mac
(lunatic)


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