軽くて組み立て簡単な焚き火台!ウルフ&グリズリー「ファイヤーセーフ」【アウトドア銘品図鑑】

ソロキャンプ人気の高まりとともに、軽くて小さな焚き火台が続々販売されています。

軽量コンパクトな焚き火台の多くはメッシュ火床を用いたものです。この手のものは空気が効率良く供給されて優秀なのですが、熱でメッシュが硬くなったりしがち。もっとタフなものはないかと思っていたら、カナダ・オンタリオからウルフ&グリズリーの焚き火台「ファイヤーセーフ」が上陸!

ウルフ&グリズリーは、エンジニアだったジョージ・リスカラが「裏庭から荒野まで」をテーマに設立した新進気鋭のギアブランドです。なんとも強そうなブランド名ですが、デビューしたばかりの「ファイヤーセーフ」(9800円/税別)と「グリルM1エディションwithファイヤーセット」(1万2800円/税別)はどちらもスマートなルックス。ウルフっぽいスマートさはありますが、決してグリズリーを思わせるゴツさはありません。

さっそく試してきました。

 

■組み立て

薄型のケースから取り出してから組み立て完成まで、説明書なしで1分もかかりません。

パスポートケースみたいな収納ケースに入っています。収納サイズは29.2×10.5×2cmで、重さは910g。

さっそく組み立てましょう。まず枠を開きます。

蛇腹にたたまれたプレートを枠の上に載せます。枠のスリットに、蛇腹の折れ線を引っかけていきます。

以上。

ネジを使うわけでもなく、枠に火床をのせるだけ。だれもが簡単に組み立てられます。ただプレートをのせているだけですが、スリットのおかげでズレることなく、ファイヤーセーフを少し移動させるような時でも形をキープするので安心。

 

■機能

蛇腹状の火床はラフに薪を積み上げても薪の下側から空気を供給。よく燃えます。

蛇腹式の火床は、ラフに薪をのせてもふんわりとした火口が潰れることはないことに加え、薪の下にほどよく空気が入るのでよく燃えます。これはすごい! メッシュではないので耐久性も高いと思われます。

地面に置いたときにがたつかないよう、少しだけ脚があります。切り口はちゃんと曲げられていて、バリもありません。ていねいな作りに好感度が上がります。

組み立てサイズは28.6×27.8×5cm。30cmの薪は斜めにするときっちり収まります。37〜38cmの薪は少しはみ出てしまうので、枕木を置いて立てかけるなどちょっと工夫が必要です。

 

■燃焼

少ない薪でもきれいに燃えます。灰が落ちにくいので焚き火跡を残しにくいのもいいですね。

実際に焚き火をしてみました。コンパクトなサイズなので薪をたくさん入れるのは不向きですが、薪を適当にのせるだけで立ち消えることはありません。

ただ、土の上で使ったのでなんとも言えませんが、背が低い焚き火台なので芝生の上で使うと芝生が焦げるかも。

調理用のゴトクが付いていないのが残念ですが、焚き火料理もしたい人には「グリルM1エディションwithファイヤーセット」があります!

グリルですが丸めて収納されているのがステキ。1万2800円で、ファイヤースターター、マイクロファイバークロス、焦げなどをこそげ落とすクリーニングツール付き。収納サイズはφ5×40cmで、重さは約1kg。

グリルは脚に引っかけるワイヤーの位置を変えることで、高さを低・中・高の3段階に変えられます。低の場合は、石でかまどを作るような時に使えそう。

ファイヤーセーフと組み合わせるなら、中・高で。焼き面は27.5×28cmでケトル、ソロ用のスキレット、シェラカップを余裕で置けました。ソロキャンプなら鍋2〜3個で同時調理が可能です。安定感があるのでファミリー用のクッカーを載せても安心ですね。

ファイヤーセーフと組み合わせた時、気になるのが薪の補充です。グリルの脚がクロスしているので、薪を追加するときはクロスされた脚の隙間から入れます。角からも薪を入れられます。

ただし、中段にしていると角は脚の分だけ狭く感じてしまいます。

 

■片付け

パーツが少なく軽いので、残った灰や燃えかすの処理は簡単。

そのまま灰捨て場まで持っていっても苦になりません。それに、蛇腹式の火床は、両端を持って取り外せば自然と灰が中央にたまります。冷めていたら、本体はサイトに置いておき、片手で火床を持ってポイッと捨てに行けます。

あとは付属のマイクロファイバークロスで本体の汚れをサッと拭き取るだけ。組み立てばかりか片付けも簡単です。

これまでにありそうなルックスですが、細部まで見るとオンリーワンの技術が盛り込まれた焚き火台です。バックパックに入れて気軽に持ち運べるし、オールステンレスなので耐久性も期待大。これからが楽しみなブランドですね。

>> Wolf & Grizzly(A&F)

 

(取材・文/大森弘恵)


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