米国時間3月13日、Apple(アップル)は他の大手テクノロジー企業の動きにならい、6月に開催される毎年恒例のWorld Wide Developers Conference(WWDC、世界開発者会議)の通常開催をキャンセルすることを発表した。近年サンノゼで開催されていたような大規模なイベントではなく、同会議をオンラインのみの形態にシフトする。アップルはこの決定の主要因として「現在の健康状況」を挙げている。
シニアVPのPhil Schiller(フィル・シラー)氏はニュースリリースの中で「私たちは6月のWWDC2020を、世界中の何百万人もの開発者のみなさまに、革新的な方法でご提供いたします。開発者コミュニティ全体に新しい体験をもたらすことになるでしょう」と述べている。「現在の健康が懸念される状況は、私たちにオンラインキーノートとセッションを含む完全なプログラムを提供する新しいWWDC 2020形式を求めています。もちろん世界中の開発者コミュニティ全体にすばらしい学習体験を提供いたします。今後数週間のうちに、完全な詳細を発表いたします」
2020年で31年目を迎えるこの会議は、その多くで新しいハードウェアの発表を行い、それに伴ってiOSやmacOSといったソフトウェアの最新機能を紹介する、開発者と消費者の両方にアピールする大きなイベントになっていた。現在公開されている公式グラフィックはMacBookがフィーチャーされているが、おそらく新しいノートブックの登場を示唆しているのだと思われる。冒頭の基調講演以外に、会議は開発者向けの数日間のワークショップで構成されている。これまでずっとアップルは、ライブストリーミングされたコンテンツを含むワークショップのビデオを、開催後に提供してきた。現段階での発表は、同社が6月にそれらにどのようにアプローチするつもりかを示すものだろう。
WWDCに関する発表は、新型コロナウイルスの世界的流行に伴って延期、再構成、キャンセルされた一連のイベント(MWCやGoogle I/Oなど)に続くものとなる。米国時間3月12日にカリフォルニア州のサンタクララ郡は、近くのサンフランシスコにならい1000人以上の集会を禁止した。最新のレポートによれば、サンノゼがあるサンタクララ郡では、48人の新型コロナウイルス感染症確定患者と1件の死亡が報告されている。
同郡は1週間前の時点で集会禁止を否定していた。だが、サンタクララ郡の保健局担当者であるSara Cody(サラ・コディ)氏は、今週始めの記者会見で「新しいデータによれば、5日前に明らかになったものよりも広範なコミュニティ内での広がりが見られるため、病気の広がりを遅らせ、公衆を保護するために、より多くの行動をとる必要がある」と述べていた。6月の状況を知ることはできないが、Appleの動きはすべての関係者にとって明らかに最も理にかなったものだ。Appleは、イベントのキャンセルにより失われた収益を補填するために、サンノゼに拠点を置く複数の組織に対して100万ドル(約1億1000万円)を提供することも約束している。
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(翻訳:sako)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/03/14/2020-03-13-apple-makes-wwdc-online-only-amid-covid-19-concerns/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Brian Heater
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