スマホのカメラはついに「完全手振れ防止」
ジンバル不要のVivo「APEX 2020」
Vivoが発表した「APEX 2020」は同社の最新技術を搭載したコンセプトモデルだ。Vivoは昨年発表した「APEX」で完全ボタンレスなスマホを完成させた。APEXには電源ボタンやボリュームボタン、USB端子やヘッドフォンコネクタもない。スマホの側面からあらゆるボタンや端子を廃止することで、スマホ設計の自由度を高めることができるのだ。
そのAPEXから1年後に発表されたAPEX 2020もまた、今までのスマホには無い新しい機能がこれでもかと盛り込まれている。もしもバルセロナで新製品発表会が行われたとしたら、発表会直後のタッチアンドトライでは世界中のメディア関係者が実機を奪い合うようにして取材を行ったに違いないと思えるほど、驚きの機能が搭載されているのだ。
APEX 2020の最大の特徴はカメラ。なんと手振れをほぼ完全に防止できるカメラを搭載しているのだ。最近のスマホのカメラはある程度の手振れ補正機能を搭載している。しかし本格的な動画撮影をするには訳不足だ。そのため「ジンバル」と呼ばれる、手振れを吸収してくれる小型三脚のようなツールを使う人も増えている。YouTubeで海外の観光地を探索する美しい動画を見たことがあるだろうが、手振れしていなければジンバルをつけたスマホやデジカメを使って撮影されている。
APEX 2020はそのジンバル機能をスマホ本体のカメラ部分に搭載しているのだ。つまりスマホのカメラモジュールそのものがスマ本体の中で自由に動き、スマホ本体が揺れてもカメラは常に一定の方向を向くようにぶれの動きを吸収するのである。運動会で子供の走る姿を追いかけながらスマホで動画を撮ったらブレまくってしまい見られたものじゃない、なんて経験がある人もいるだろう。APEX 2020のカメラはそんな失敗を地球上から抹消してくれるのである。
APEX 2020はさらにもう1つの新しいカメラが搭載されている。それはフロントカメラだ。APEX 2020のディスプレイ面を見てみよう。そこにはフロントカメラが見当たらない。一部のスマホはカメラをポップアップ式に飛び出す方式にしてフロントカメラを隠しているが、APEX 2020はディスプレイの中にカメラが埋め込まれているのだ。
しかも普段はディスプレイはすべての面が表示エリアとなり、埋め込まれたカメラ部分が黒い丸となり表示されない、ということではない。フロントカメラを起動したときだけ、ディスプレイの中に組み込まれたカメラがカメラとしてて動作するのだ。これによりスマホを使うときに目障りな画面上部の欠き取り部分(ノッチ)は完全に不要になるし、ノッチが無いといいながら丸い穴状のカメラを画面の一部に埋め込んだディスプレイのように、目障りな部分も見えなくなる。
そしてディスプレイは本体の側面をカーブしながら覆う「120度」ディスプレイを採用。すなわち本体の側面部分もディスプレイになっているのだ。ここにはタッチセンサーが内蔵されており、電源やボリューム操作を側面タッチで行える。この機能はすでにファーウェイの一部モデルにも採用されているが、APEX 2020は正面から見ると側面にカーブしたディスプレイが両端を完全に覆うことで、ディスプレイの端側、すなわちベゼルが完全に見えない構造になっている。まるでガラスの板を持っているようなルックスなのである。
ここまで意欲的なスマホであるAPEX 2020だが、残念なことにこれはコンセプトモデルなのだ。しかし今後のVivoのスマホにいずれかの機能が搭載されることは間違いないだろう。動画の手振れという概念を無くすAPEX 2020のカメラ、ぜひ製品化してほしいものだ。
OPPOも動画フォーカスのスマホを発表
5G時代を見据えた高速表示ディスプレイも搭載
OPPOは3月6日に「Find X2」「Find X2 Pro」の2つのスマホを発表した。こちらはMWC20開催2日前の2月22日に発表予定のモデルで、MWC前に開催される新製品発表会の中で最も早く発表される製品の予定だった。しかも前モデル「Find X」はリアカメラとフロントカメラが一体となって本体の上部からモーター駆動で飛び出してくるというギミックを搭載していたこともあり、その後継機がどんな製品になるのか、世界中のメディアが注目していたところだ。バルセロナ市内にはMWC20は中止になったもののFind X2の広告が大々的に掲げられており、OPPOがこのモデルにかける意気込みも感じられた。
発表されたFind X2シリーズは、外観はオーソドックスなデザインに留まった。ディスプレイサイズは6.7インチでフロントカメラはパンチホール式。背面にはトリプルカメラを搭載しており、カメラの位置も左上に縦に並べられており、他社のスマホと同等だ。しかしSoCにSnapdragon 865を採用、5Gに対応する大手メーカーの最上位モデルと互角に戦うことのできるハイスペックモデルに仕上がっている。価格もFind X2が999ユーロ、Find X2 Proが1199ユーロだ。
見た目だけではFind X2シリーズのすごさはわからないかもしれない。その中身は5G時代に合わせ、かなりのスペックアップが図られている。ディスプレイは高速なゲームにも余裕で対応する120Hz駆動で、専用のチップセット「O1 Ultra Vision Engine」を搭載。動画も滑らかに120fpsでの補間再生を可能にする。Find X2のディスプレイを一度使ってみると、他社のスマホの表示がカクカクとしてなめらかでない、と感じてしまいそうだ。
カメラはFind X2 Proが4800万画素(広角)+4800万画素(超広角)+1300万画素(望遠)、Find X2が4800万画素(広角)+1200万画素(超広角)+1300万画素(望遠)。どちらも広角はF1.7と明るいレンズを採用。Find X2 Proの望遠は第二世代となるペリスコープカメラでハイブリッド10倍ズームを実現。Find X2 Proはマクロ撮影3cmからデジタルズーム60倍までに対応する。Find X2の望遠は5倍までだが、こちらの広角カメラは高速位相差AFに対応するなど高い性能を持つ。
そして動画撮影でもFind X2シリーズは強みを発揮する。Vivo APEX 2020のジンバル機能にはかなわないものの、「Ultra Steady Video Pro」技術を搭載。超広角レンズを使いぶれを最小限に抑える撮影が可能だ。なおマイクは3つ搭載しており、高性能なノイズリダクションにより風の強い環境でもクリアな音声録音を可能にする。
Find X2シリーズはOPPOの最上位モデルとしてカメラ性能、特にビデオ撮影機能を強化しており、動画コンテンツが主流となる5G時代への対応を明確にしている。高リフレッシュレートのディスプレイも、5G回線経由で視聴する高画質な動画再生に対応するためだろう。OPPOのカメラはこれまでフロントカメラを中心としたセルフィーへの強さを大きな売りにしていたが、Find X2シリーズの投入で「ビデオに強いOPPO」というメッセージを強く打ち出そうとしているのだ。日本への投入も十分期待できそうだ。
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000122630/
- Source:デジモノステーション
- Author:山根康宏
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