新型コロナの蔓延を防ぐための効果的な対策として、追跡アプリによる感染者の行動把握が注目されている。中国や韓国で導入され、一定の成果を収めた同対策だが、個人情報を預けることへの懸念もあるようだ。
コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭のインタビューにて、エドワード・スノーデン氏が、新型コロナへの国や企業の対応についてコメント。同氏はそのなかで、追跡アプリについても触れており、パニックに動機づけられた決断が、権力あるもの利用されることを危惧している。
・陽性が判明した人と接触した人を洗い出す
スマホに保存された位置情報を逆追跡し、過去2週間に接触した人を洗い出せる追跡アプリは、無症状の患者によるもの含めた感染拡大防止に寄与する可能性がある。
追跡アプリには、例えばMIT Media Labが公開している「Private Kit:Safe Paths」がある。この手のアプリではGPSに基づく位置データが収集されるが、政府や企業がアクセスできない設計にするなど、プライバシーの扱いについては慎重に議論がなされている最中だ。
追跡アプリは、現在WHOもMITやMicrosoft、Googleと協力して開発を進めるなど、パンデミック防止のカギともうつるだろう。
・コロナウイルスが去った後もデータが利用される可能性
このような非常事態においては、多少の個人情報を渡すことは仕方ないと考えてしまいがち。ただ、人権を制限することにもつながる追跡アプリ導入の是非や運用ルールについては一歩立ち止まって考える必要がありそうだ。
仮にプライバシーを扱う基準が納得いくものだったとしても、そのデータが利用可能な状態で残ることにも考慮しなければならない。その点、エドワード・スノーデン氏はインタビューのなかで、“コロナウイルスが去った後も彼らがデータを利用できる”ことに言及している。
管理者側が意図しなくても、ハッキングによるデータ漏洩や、感染者の個人情報や利用店舗がさらされるリスクもある。たしかにパンデミックは差し迫った問題だ。それでも、なし崩し的にシステムが導入されるのだけは避けたい。
参照元:Edward Snowden Live / CPH:DOX online via YouTube
- Original:https://techable.jp/archives/120128
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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