ダイソンとGtechも新型コロナ対応で人工呼吸器を生産へ

世界中の企業が、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大のスピードを抑制しようとしている政府や公衆衛生当局の求めに応じようと、生産ラインや事業モデルを変更している。そしてDysonとGtechも呼びかけに応じ、人工呼吸器に取り組んでいる。人工呼吸器をデザインし、性能の承認を受け、そして可能な限り早く生産するために、両社は掃除機やモーター駆動の空調機器で培った経験を活用している。

家電メーカーとして世界に名を馳せるDyson(ダイソン)は、CoVentという新たな人工呼吸器のデザインでThe Technology Partnership (TTP)と協業している。なるだけ早く、そして大量に製造することを念頭にしたデザインだ。そしてDyson創業者のJames Dyson(ジェームズ・ダイソン)氏が従業員に送り、TechCrunchにも共有された内部メールによると、COVID-19患者に安全でコンスタントな換気を提供するために、人工呼吸器にはDysonの既存のDigital Motorデザインと同社の空気清浄の製品を使用する。

Dysonは英国のBoris Johnson(ボリス・ジョンソン)首相からの人工呼吸器製造の要望に応えていて、最初に英政府から注文のあった1万台を納入するつもりだ。同社の人工呼吸器はまだテストする必要があり、製造プロセスも政府や英医薬品・医療製品規制庁(MHRA、米国のFDAに相当)に承認されなければならないが、Dysonは電子メールの中で「生産に入ることが差し当たっての急務だ」と述べている。国のヘルスケア当局とMHRAの専門家がデザインの全プロセスに関わっていて、素早く承認を得るられるはずだ、とも記している。

CoVentは臨床医が求める要素をクリアしている。ベッドに備えつけて使用できるほか、バッテリーで電力を供給しながら患者搬送中などあらゆる状況でフレキシブルに使える。Dysonの既存のDigital Motorデザインに若干手を加えたバージョンを使用しているため、生産に必要なファンは「かなりの量を用意できる」としている。

「Dysonのエンジニアと、TTPのパートナーたちが成し遂げたことを誇りに思う。この新たなデバイスが可能な限り早く生産され、病院に配備されることを望む」とダイソン氏は電子メールに書いている。「これは明らかに重大な国際危機だ。したがって国際的な取り組みに5000台を寄贈し、このうち1000台を英国に贈る」。

もう1つの英国の家電・掃除機メーカーGtechもまた、政府からの人工呼吸器製造の求めに応じるために、できることはすでにやったようだ。同社のオーナー、Nick Grey(ニック・グレイ)氏は2週間で人工呼吸器3万台を製造してほしいというリクエストを受けた、と述べた。このため、同社はただちに人工呼吸器のデザインに着手した。

Gtechのチームは、ストックが豊富な素材から簡単に入手できるパーツ、または在庫がありまだ組み立てられていないパーツで作ることができる人工呼吸器を開発した。鋼鉄製造とCNC機械サプライヤーを確保できさえすれば、1週間かそこらで人工呼吸器の生産を1日あたり100台のペースに加速させることができる、と同社は話している。

自社での生産に加え、同社は生産を加速させるために人工呼吸器のデザインを公開している。こうしたやり方で「数千台もの救急人工呼吸器が毎日製造されていはいけないという理由はない」と、グレイ氏はCTV Newsでのインタビューの中で述べている。Dysonのモデルと同じく、実際に使用されるようになる前にGtechのデザインも英政府や当局から評価や認証を受ける必要がある。

画像クレジット: Michael Nagle / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi


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