新型コロナウイルスの影響により、ロックダウン(封鎖)措置を余儀なくされていた中華圏の経済が盛り返しつつありますが、それでもiPhone12の発売が延期される可能性は拭えない、とReutersが報じています。
米国とヨーロッパの新コロの状況による?
「労働力や原料の不足はもはや問題になっていない。今はみな米国とヨーロッパの需要を気にしている」と、Appleがデバイスの組み立て契約を結んでいる主要サプライヤーの役員は述べています。
同役員によれば、Appleの1月〜3月期の発注数は、対前年同期比で18%減となる見込みとのことで、次世代通信規格5G対応の新型iPhoneの量産開始が延期されたとのことです。それでも5G対応iPhoneが予定どおり今年秋に発売される可能性も考えられる、と同役員は続けています。
Appleの主要ディスプレイサプライヤーの1つも、今年のディスプレイの予想出荷枚数を、当初の7,000万枚から17%減となる5,800万枚へと下方修正しています。
同社はベトナムにあるApple製品専用の生産ラインの従業員数を減らすことも計画している、と伝えられています。
アウトブレイクが収まれば例年と同等の支出額が期待
台北拠点のFubon Researchのテクノロジー・アナリストのアーサー・リャオ氏は、今年第1四半期(1月〜3月)のiPhoneの予想出荷台数は、前年同四半期の4,100万台から17%減となる3,500万台になると見ています。また同氏は、iPhoneの年間予想出荷台数も、当初の2億400万台から1億9,800万台へと下方修正しています。
データサイエンスソフトウェア企業Civis Analyticsが、3月18日〜20日に2,600人以上の米国人を対象に行ったアンケート調査では、半数以上の人が新型コロナウイルスのアウトブレイクが数週間以内に収まれば、「電子製品に例年と同等の金額をかける」と答えています。
しかしながら、状況がさらに悪化した場合、「電子製品にかける金額を減らす」「電子製品に例年と同等の金額をかける」「電子製品にかける金額を増やす」との回答がちょうど3分の1ずつに分かれており、2020年のiPhone需要の見通しが立てにくくなっています。
予定どおりに生産を続けているサプライヤーも
iPhoneに搭載されるセンサーの1つを製造する企業は、Appleデバイスのための部品の生産を続けており、今年の1月〜3月期の出荷数は昨年よりも多く、第2四半期(4月〜6月)も前年同四半期と比べて出荷数が増加する見込みとしています。
「今四半期の予想出荷数は(新型コロナウイルスが)パンデミックとなる以前の約1カ月前のものだ」と、センサーサプライヤーの生産状況に詳しい人物は述べています。「今でも予定どおりに生産は続けられている」
iPhoneのプリント基板(PCB)の生産を担うAppleサプライヤーたちは、「生産予定の変更に関する情報は何も入ってきていない」と主張している、と台湾メディアDigiTimesが報じたばかりです。
Nikkei Asian Reviewによれば、Appleが最も憂慮しているのは「5G対応iPhoneが華々しくデビューできないこと」であるとのことで、今後米国やヨーロッパ市場で新型ウイルスの影響がどれだけ拡がるかが鍵になってきそうです。
Source:Reuters
Photo:PhoneArena
(lexi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-280877/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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