米国での新型コロナによる死亡者は10万人〜20万人、米国立アレルギー感染病研究所長が予測

米国時間3月29日にCNNのニュース番組「State of the Union」で、米国最大の権威が米国内で感染が広がる新型コロナウイルスの状況について、恐ろしい予測を公表した。

Dr. Anthony Fauci(アンソニー・ファウチ博士)は国立アレルギー感染病研究所(NAID)の所長を長く務め、新型コロナウイルスと戦う米国を率いる指導者だ。同氏が新型コロナウイルスに起因する致命的疾患による死亡者数は10万人から20万人に上る可能性があると予測した。この分野の第一人者として名高いファウチ氏は、SARS(サーズ、重症急性呼吸器症候群)、MERS(マーズ、中東呼吸器症候群)、エボラ出血熱に続き、このたび新型コロナウイルスについても国の方針決定を支援する責任者を務めている。

ファウチ博士は、この推定値はモデルに基づくものであり、あくまでもモデル構築した際の仮定以上の正確性はないと警告した。新型コロナウイルスが数百万人の米国人の命を奪うという最悪のシナリオは「起こり得なくはないが、可能性はごくごく低い」と語った。

「モデルをつくれば、ワーストケースとベストケースのシナリオが必ずついてくる」とファウチ博士はCNNの Jake Tapper(ジェイク・タッパー)氏に話した。「ほとんどの場合、現実は中間のどこかにある。私が関わった疾病モデルで、実際にワーストケースが起きたことは一度もない。常に大きく外れている」。

ファウチ氏は、米国で「数百万人の感染者」が出る可能性は高いと信じているが、ウイルスの引き起こす極度のリスクを強調しつつも、モデル予測に依存しすぎないよう警告している。

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「このよう目標が定まらず容易に人々を誤った方向に導きやすい状況下では、予測を立てる必要はないのではないかと私は考える」とファウチ氏は言う。ニューヨークやニューオリンズなど「深刻な問題」を抱える地域での感染拡大は今も懸念すべき問題であり、現状のデータだけでも十分懸念の理由になる、と付け加えた。

米国時間3月29日現在、米国では2197名がウイルスとの戦いで命を失い、12万5313名の感染が確認されていることをジョンズ・ホプキンス大学のデータが示している。一部の地域で検査能力の不足が続いており、軽症あるいは無症状の多くは検査されていないことから、現実の感染者数はこれよりはるかに多い可能性が高い。

画像クレジット:Yuri Gripas/Abaca Press/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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