苦境に立つアーティストを、スマホ1つで支えられるかもしれない。
今、アーティスト達のライブ活動は、新型コロナウイルスの影響をもろに受けている。
「密閉空間」「密集場所」「密接場面」、避けるべき“3密”にトリプルヒットしているライブハウスという空間は、避けられて仕方がない状況になっている。ライブができないアーティストたちは収入が限られ、苦境に立たされているのが、いまの音楽業界です。
そうした状況を、スマホとアプリで乗り越えようと立ち上がったのが『#ライブを止めるな!』プロジェクト。
ACIDMANのボーカルの一言から、わずか4日間で誕生
ファンコミュニティアプリ「fanicon」のCEO平良真人氏が、ACIDMANのボーカル大木伸夫氏から「チケット制のライブ配信をできないか」と相談を持ちかけられ、わずか4日間でチケット制ライブ配信サービス「fanistream」を開発。
3月20日〜4月5日の期間中の無観客ライブ配信を請け負い、「fanistreamの使用料」「ライブ配信用機材の使用料」「ライブ配信用スタッフの人件費」「提携ライブハウス使用料」、この全てを無償で提供。
ライブを止めない、という強い意志を感じさせる取り組みを実施した。
ライブを視聴するには、fanistreamから電子チケットを買う仕組みになっており、収益は全てアーティストと関係スタッフで分配する。
無観客ライブの現場は、こんな感じ
4月3日、アイドルグループ「CY8ER」の無観客ライブが渋谷のWOMBで行われ、その現場に立ち会えた。観客が密集して発声しがちなライブもご覧の通り…。
ステージ前にはだ〜れも居らず、まるでリハーサル。最前列はカメラマン一人だけ。
ステージ下にモニターが置かれていて、fanistreamから送られたファンのコメントが表示されている。無人といえど、ネットを通してファンの熱いコメントが読めたりと、しっかりコミュニケーションがとれるのだ。
無観客ライブがライブを進化させるきっかけに。
CEO平良真人氏に、今後のチケット制ライブ配信サービスの展望を伺った。
――いまの音楽業界にとって、fanistreamはどんな存在になるのでしょうか。
平良:fanistreamを開発して、「#ライブを止めるな」プロジェクトという形で、アーティスト、ライブハウス、そこで働いているエンジニアの方々に少しでも恩返しができればと思い、プロジェクトを始めました。
無観客ライブ配信に必要な費用を我々で負担させて頂き、少しでも多くのライブ配信ができればと思い、プロジェクトを進めているところです。
――fanistreamの今後の取り組みの予定をお聞かせください
平良:はい。実際にライブに行ったような機能を追加したいと考えています。5Gの普及を待っているのですが、VR、ARの環境で実際にライブの現場にいるような没入感を感じられるサービスにしていきたいと思っています。
チケットが外れてライブに来れなかったファンも、チケットが外れたら「はい終わり」ではなく、+αで代わりにライブ配信で楽しめるようになればと考えています。
・・・
今後も継続していくという「#ライブを止めるな」プロジェクト。ライブやコンサートが中止、延期となってしまう世の中でも、テクノロジーとアイデアで乗り越えていけそうだ。
CREDIT
Videographer:Tomohiro Machida/Masaaki Ishino
Writer:Tomohiro Machida
SNS:Tomohiro Machida/にしまり
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- Source:bouncy / バウンシー
- Author:町田知陽
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