App Annie Japan株式会社は、アプリ市場データプラットフォーム「App Annie Intelligence」のデータより、日本と世界全体の動画ストリーミング市場の最新動向をまとめた。
また、2020年に日本上陸予定の「Disney+」の状況をまとめ、日本における2020年の動画ストリーミング市場を予測している。
エンタメアプリの成長
昨今の新型コロナウイルスの感染拡大により、家で過ごす時間が増加した。それに伴い日本におけるモバイルアプリ全体のダウンロード数は3月以降増加傾向にあるようだ。
2020年2月から3月では約20%増加し、4月は19日時点で増加傾向にあり3月よりもダウンロード数が増加すると予測されている。
このたび同社は、ダウンロードが増え続けるアプリのなかで、エンターテイメントアプリのダウンロード数に着目。するとこちらも増加傾向にあり、昨年の同時期より約28%増加の5,640万ダウンロードを記録。
これを受け同社は、外出自粛の影響で動画ストリーミング市場が盛り上がっているとの考えを示した。
また、エンタメアプリはダウンロード数とともにユーザーが実際に利用する時間も増加している。2020年1月平均と4月平均では15%増加し約2,600万時間にも及ぶと判明。これはモバイルに触れる時間が増えたことと、そのシェアの一部をエンタメアプリが獲得していることを示しているという。
ブレイクした動画ストリーミングは?
では、どのような動画ストリーミングアプリがブレイクしているのだろうか? 前年同時期と比較してダウンロード数が急上昇した動画ストリーミングアプリのランキングを見てみると、無料コンテンツを開放したアプリのランクインが目立つ。
例えば、1位の「Paravi」はプロ野球の公式戦(無観客試合)を無料配信したり、3位の「NHKプラス」では新型コロナウイルス関連のニュースを配信したりというところでニーズが高まった可能性があるとのこと。
無料コンテンツ開放はブレイクの一因ではあるが、有料のサービスであってもブレイクしているアプリもある。ちなみに、2020年1月平均と3月平均のエンタメアプリの平均課金額を比較すると、世界全体で2%、ロックダウンが実施されている米国と緊急事態宣言が発令されているシンガポールでは10%、日本では15%増加しているのだ。
2020年、「Disney+」上陸で……
2020年下半期に「Disney+」が日本上陸予定である。「Disney+」は2019年11月に米国、カナダ、オランダなど5市場でサービスを開始し、わずか4ヶ月で2020年1月1日から3月2日までの世界全体の消費支出ランキングTOP10アプリの7位にランクイン。
その後2020年3月24日から欧州7ヶ国(ドイツ、英国、スペイン、イタリア、オーストリア、スイス、アイルランド)で提供を開始し、提供初日の1日のダウンロード数が500万ダウンロードを記録するなど、順調な成長を見せている。
昨今の情勢のなか、自宅で過ごす子どもが増えたことが需要の高まりに直結しているとのことだ。これに応えるように、Disneyは「アナと雪の女王2」の提供を3ヶ月早めたという。
なお、「Disney+」はダウンロード数と消費支出だけでなく、ユーザーの利用時間においても消費者に受け入れられていることを示している。2019年の米国でのユーザーは平均で月に3時間10分を「Disney+」に使っているという(「Netflix」のアプリ重複利用率のデータより)。この数字は「Netflix」や「Hulu」のような地位を確立しているサービスに匹敵するとのこと。
同社は、世界各国で順調に伸長している「Disney+」の日本参入が5Gの商用化や巣ごもり需要の追い風を受け、動画ストリーミング市場の競争激化を招くだろうと予測している。
- Original:https://techable.jp/archives/123144
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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