iPhoneの組み立てを請け負うサプライヤーWistronが、インドへの設備投資を倍増させる方針を固めたことが分かりました。中国以外の工場を拡充させることで、コストやリスクの削減を狙うつもりだと考えられます。
インド工場への投資を倍増
Economic Timesによると、Wistronはインドのベンガルール郊外に建設中の工場に対して、およそ130億ルピー(約176億円)を追加投資する方針を明らかにしました。Wistronは生産拠点の多様化を掲げ、2021年に中国以外の工場で50%の収益獲得を目標としています。
とりわけインドについては現在、中国から生産能力の約20%を移せるかどうかをAppleが検討しているとされ、iPhone生産拠点として今後はより存在感を増していくと考えられます。こうした方針のもと、Wistronによる投資は昨年9月の時点で、90億ルピー(約128億円)から160億ルピー(約227億円)と引き上げられていましたが、今回新たに130億ルピーが追加されたことによって、計290億ルピー(約400億円)がベンガルール郊外の工場に投じられる計算です。
ちなみに同工場は、iPhone7やiPhone8といった往年のモデルのほかに、iPhoneのプリント回路基板(PCB)製造も計画されています。
中国工場に吹き続ける逆風
インドへ設備投資を積極的に行うiPhoneサプライヤーは、Wistronだけではありません。
同じく組み立てを請け負う最大のサプライヤーFoxconnも、新型コロナウイルス(COVID1-19)で中国国内工場が稼働できなくなった際は、インドやベトナムなどの工場で不足分を補ったとされています。
昨年夏の時点ではインドやブラジルの工場について「Appleは(それぞれの国の)国内需要を満たすためにしか活用していない」との分析もありましたが、米中貿易摩擦、新型コロナウイルス、インド政府による積極誘致、人件費の高騰と中国工場に逆風が吹き続けるとあっては、さすがに本腰を入れてサプライヤーともども“脱中国”へ舵を切らざるを得ないということでしょう。
Source:Economic Times
Photo:Wistron
(kihachi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-288778/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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