Microsoft(マイクロソフト)は米国時間5月19日に、デベロッパー会議であるBuild 2020で汎用AIを開発するスタートアップのOpenAIと提携したことを発表した。提携の中身にはいろいろあるが、その1つはマイクロソフトが10億ドル(約1078億円)を投資して、Azureのインフラストラクチャ上に、世界的にも最速レベルのスーパーコンピューターを構築することだ。マイクロソフトによると、28万5000コアを持つマシンで上位500位のスーパーコンピューターのランキングでも、トップ5に位置するものだという。
マイクロソフトはまだ多くを明らかにしていないが、1万基のGPUを備え、サーバー1台あたり毎秒400ギガビットのネットワーク通信速度を実現するという。これについては、マイクロソフトとOpenAIの言葉を信じるしかない。
現状でスーパーコンピューターランキングのトップ5に入るには、2万3000テラフロップスを超える必要がある。参考までに述べれば、現在第1位のマシンはIBMのPower SystemベースのSummitで、速度は14万8000テラフロップス以上に達している。それとの差はかなり大きい。マイクロソフトは同社のAIイニシアチブについて、4ページに渡るプレスリリースを出したにも関わらず、これまで実際のパフォーマンスの数値は公表していなかった。
「このコンピューターは、Azureに接続されてはいますが、OpenAIの専用リソースとなります。OpenAIはシステムの利用代金を、マイクロソフトと他のサプライヤーに対して支払います。その費用の総額は明らかにできません」と、マイクロソフトの広報担当は私の質問に答えて語った。また、システムは現在稼働中だという。
マイクロソフトによる大規模な投資を受けて以降、OpenAIはクラウドサービスとしてAzureを選択している。このスーパーコンピューターは「OpenAIと協力してOpenAI専用に」開発されたものだ。
OpenAIは、非常に大きなモデルをトレーニングすることで有名になった。それももちろん、これと同じように、1つのプロジェクトの目的なのだろう。
「私たちが、私たちのニーズを理解し、スーパーコンピューターを構成するすべてのコンポーネントのさまざまな限界についてよく知るにつれて、ようやくわかりました。私たちの夢をかなえるようなシステムを設計できるとすれば、それをどのようなものにすべきか、ということを表現できるようになったのです」と、OpenAIのCEOであるSam Altman(サム・アルトマン)氏は語った。「そして、マイクロソフトがそれを実現してくれました」。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/05/20/2020-05-19-microsoft-says-it-teamed-up-with-openai-to-build-a-massive-ai-supercomputer-in-azure/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Frederic Lardinois
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