iOS13.5では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の接触追跡アプリ用のAPIが追加されています。iOS13.5では、この機能について詳細な説明文を日本語で掲載しています。
ユーザーのプライバシーを重視した設計
日本時間5月21日未明に公開されたiOS13.5では、AppleとGoogleが共同開発した、COVID-19感染者との接触を追跡し、通知するアプリ用のAPIが追加されています。
この機能は、ユーザーのプライバシーが重視されているのが特徴で、10分〜20分ごとに更新されるBluetooth識別子と、少なくとも24時間ごとに更新されるランダム・デバイス・キーが用いられます。ユーザーの所在地や身元に関する情報は含まれません。
iPhoneやAndroidデバイスは、Bluetooth信号の強さから、近くにいた相手との接触ログを記録し、14日間保存します。接触ログにより、感染者と接触した可能性があると判定されると、アプリがユーザーに通知します。
COVID-19に感染したと診断された場合は、ユーザーはアプリから報告が可能で、匿名で情報を共有できます。Appleが情報を収集することはありません。
また、同機能が不要になった時、Appleが地域ごとに無効にすることも説明されています。
日本ではまだ使用不能
このアプリは、各国政府または公的保険機関のみが提供できることとされており、本稿執筆時点では日本ではアプリは提供されていません。
「COVID-19接触のログ記録」の設定画面には、「設定」アプリから「プライバシー」>「Bluetooth」と開くと入ることができますが、日本では「この地域では使用できません」と表示されます。
Appleによる詳細な説明はこちら
日本では「COVID-19接触のログ記録」機能を使用することはできませんが、「COVID-19接触のログ記録」の画面からは、日本語の詳細な説明を読むことができます。
詳細な説明は以下のとおりです。
接触通知では、プライバシーを保護するため、ローテーション方式のランダムなBluetooth識別子を使用して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していると示した人にあなたが接触した可能性があるかどうかを判断します。
政府または公的保健機関のAppは、ユーザの同意のもと、接触通知を使用して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していると示した人に接触した可能性があるかどうかを通知します。接触通知を有効にすることを選択した場合、ランダムなIDを収集して共有することについて、Appから許可が求められます。これにより、デバイスではBluetoothを使用して、10~20分ごとに変化する乱数の文字列であるランダム識別子(“Bluetooth識別子”)を配信できるようになります。これらの識別子は、プライバシーの保護を強化するため、少なくとも24時間ごとに変化するランダム生成キー(“ランダム・デバイス・キー”)からデバイス上で暗号化処理のように生成されます。Bluetooth識別子やランダム・デバイス・キーには、ユーザの所在地や身元に関する情報は含まれません。
この機能が有効になっているその他のiOSデバイスとAndroidデバイスは、Bluetooth識別子をリスニングし、自身もBluetooth識別子を配信します。デバイスは、Bluetoothの通信圏内に少なくとも5分間入っているその他のデバイスの識別子を、日付、推定接触期間、Bluetooth信号の強さ(まとめて“関連メタデータ”と呼ぶ)と共に記録し、安全に保持します。ユーザのプライバシー保護を強化するため、記録期間は最大で30分程度です。Bluetooth信号の強さから、デバイス間の距離を大まかに把握することができます。一般に、デバイスが近いほど、記録される信号は強くなります。あなたのデバイスのBluetooth識別子を受信したその他のデバイスも、同様にBluetooth識別子を関連メタデータと共に記録して保持します。
Appは、政府または公的保健機関によって陽性診断を受けたことや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の接触リスクがあると判断されたことを報告した人、およびランダム・デバイス・キーの共有を選択した人から、ランダム・デバイス・キーのリストをダウンロードできます。ダウンロードが完了すると、Appはデバイスで、このリストをその他のデバイスから収集して保持したBluetooth識別子と照合します。一致するものがある場合は、(一致した識別子ではなく)関連メタデータがAppで利用可能になり、Appから接触があったことを通知したり、講じる措置のガイダンスを受けたりすることができます。
接触の通知を受けた場合、Appで接触リスク値を生成することができます。政府や公的保健機関は、この接触リスク値を使用して、ガイダンスの内容をユーザに合わせて調整したり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの管理に役立てたりすることができます。接触リスク値は、関連メタデータと感染リスク値(後述)に基づいて定義および計算されます。感染リスク値は、政府や公的保健機関が一致したランダム・デバイス・キーに対して定義することがあります。接触リスク値も感染リスク値もAppleと共有されることはありません。
あなたが新型コロナウイルス感染症と診断された場合、または接触リスクの可能性がある場合、政府や公的保健機関は、App内でその旨を報告する手順を説明します。あなたが報告することを選択した場合、あなたのランダム識別子を共有するよう求められます。同意すると、過去14日分のランダム・デバイス・キーがAppと共有されます。政府や公的保健機関は、感染リスク値を各ランダム・デバイス・キーに対して定義し、送信することがあります。政府や公的保健機関が感染リスク値に使用するパラメータには、あなたが政府や公的保健機関に提供する情報(あなたが報告する症状や診断が検査で確定されたかどうかなど)や、政府や公的保健機関が感染リスクに影響を与える可能性があるとみなすその他の情報(職業など)が含まれる場合があります。あなたが政府や公的保健機関に提供することを選択した情報は、Appのプライバシーポリシーとその法的義務の条件に基づいて収集されます。
接触のログ記録を無効にするには、“設定”>“プライバシー”>“ヘルスケア”>“COVID-19接触のログ記録”または“設定”>“プライバシー”>“Bluetooth”>“COVID-19接触のログ記録”と選択し、“接触のログ記録”をタップしてオフにします。その他のデバイスから記録されたBluetooth識別子、関連メタデータ、あなたのランダム・デバイス・キーは削除されません。Bluetooth識別子、関連メタデータ、およびランダム・デバイス・キーを削除するには、“設定”>“プライバシー”>“ヘルスケア”>“COVID-19接触のログ記録”または“設定”>“プライバシー”>“Bluetooth”>“COVID-19接触のログ記録”と選択し、“接触ログを削除”をタップします。デバイスのBluetoothをオフにすることでも、その他のデバイスに対してランダムBluetooth識別子を共有および収集する機能が無効になります。Bluetoothをオフにしている間に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者に接触しても、Appから通知することはできません。Bluetoothをオフにしている間も、接触通知のほかの機能は動作し続けます。デバイスのBluetoothをオンに戻すと、その他のデバイスとランダムBluetooth識別子を共有および収集する機能が再度有効になります。
接触通知を使用するAppはデバイスに複数インストールできますが、一度にアクティブにできるAppは1つだけです。アクティブにするAppを選択または変更するには、“設定”>“プライバシー”>“ヘルスケア”>“COVID-19接触のログ記録”または“設定”>“プライバシー”>“Bluetooth”>“COVID-19接触のログ記録”と選択し、アクティブにしたいAppを選択します。
接触通知システムが不要になった場合、Appleは地域ごとに無効にします。
Source: Apple
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-290094/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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