Siriのクオリティ評価プロセス(グレーディング)を行う際の個人データの取り扱いに関して、アイルランドにある個人データ保護機関Data Protection Commission(DPC)がAppleに新たに質問状を出した、と報じられています。
Siriスキャンダルの内部告発者が素性を公開
Siriの録音のごく一部が世界各地にある委託業者のもとへ送られ、Siriがユーザーの意志によって正しく起動したのか、それとも誤って起動したのか、Siriの解答が適切か否かなどの評価が行われていることが明らかになったのは昨年7月末のことです。
分析に使用されるデータはSiriとのやり取り全体の1%未満であるとされていますが、医師と患者の会話、仕事の取引の話、犯罪に関わると思われる会話、性的な会話などが、場所や連絡先、アプリデータなどとともに録音されているケースが頻繁にあるとのことで、プライバシー侵害の懸念が拡がりました。
2019年7月の内部告発は匿名で行われましたが、欧州の定めるデータ保護の規則に沿わないテック企業に対して十分にペナルティが与えられていないとして、当局の行動を促すためトーマス・ル・ボニエック氏は現地時間の5月20日、自身が告発者であると素性を公開しました。
当局は迅速に対応
ル・ボニエック氏は、ヨーロッパのすべてのデータ保護機関に送付した声明の中で、「テック企業のデータ収集に関して成すべきことが成されていない」と述べ、「法案を成立させるだけでなく、実際に違反者に対して法的措置を取らなければ意味がない」と、ユーザープライバシー保護のずさんさに警鐘を鳴らしました。
アイルランドのDPCは同氏の呼びかけに即座に対応し、AppleにSiriグレーディングの現在の状況についてのアップデートを促す質問状を送付しました。
DPC副長官のグレアム・ドイル氏は、「欧州データ保護会議は音声アシスタント技術のガイダンスを現在作成中である」ことも同時に明かしています。
今のところ、Appleからは質問への返答はまだ得られていないようです。
Source:Reuters via AppleInsider, Apple
(lexi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-290359/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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