アウトドアメーカーのカタログを見比べていると、2020年のトレンドが見えてきます。そのひとつが「陣幕系風防」。
これまでも各社からポツポツと登場しては引退していったアイテムですが、今シーズンは複数のブランドが投入しています。
ここで疑問がひとつ。「陣幕」っていったいどんな用途で使えばいいのでしょう? 話題の6製品の使い方と特徴を検証してみました。
■テントの目隠し、風よけ、スクリーン用
ビッグサイズの陣幕は、テントの前や横に立てることでプライベート空間を確保するとともに、リビングに入ってくる風をやわらげることができる…これが最大のメリットでしょう。
スクリーンタープであれば、パネルの開け閉めで簡単に調節できますが、オープンタープはそうもいきません。だから、リビングが丸見えのオープンタープやタープを使わないキャンプサイトで有効なアイテム。
また、混雑したフリーサイトでくつろぎたいときにも役立ちます。キャンプイベントで上映会のスクリーン代わりにする人もいるそうですよ。
ただし、あまりにがっつり取り囲んでしまうと周囲に威圧感を与えますし、キャンプの開放感だって損なわれてしまいます。
1. キャンプサイトの出入りに配慮
ロゴス
「LOGOS JINMAKU-BJ」(1万7200円/税別)
素材:難燃性バルキーポリタフタ、スチールポール
サイズ:900×H140cm
重量:4.1kg
難燃素材を使っていて、万一、焚き火の火の粉が触れても燃え広がりません。クルマやお隣のテントへの火の粉のダメージを防げますね。また、両端は三角形にカットされているので一番端の固定はペグのみでOK。長方形型に比べ、サイトへの出入りするときに張り綱の影響が少ない形になっています。
身長170cmの人が直立すれば外側の様子がわかります。明るいベージュなので、テント側にいても重苦しさはどれほどありません。
4面+両端の三角形フラップというロングサイズだから、L型やコの字型にセットできます。テントのサイズに応じて対応しやすく、また、L型やコの字だと風向きが変わっても慌てずにすみますよ。
>> ロゴス
2. ソロキャンプ向きの小さな陣幕
テンマクデザイン
「陣幕 ミニ TC」(9800円/税別)
陣幕ブームの立役者がテンマクデザインの「陣幕」。こちらはソロキャンプ向きの小さなサイズです。
素材:TC(ポリエステル65%・コットン35%)、スチールポール
サイズ:300×H100cm
重量:2.9kg
ソロ〜デュオ用の小さなテントにぴったり。ローチェアに座れば身体が隠れ、ちょっと腰を浮かすと外を確認できる高さです。TC素材なので、焚き火のポツポツ穴が開きにくいことも特徴です。
ソロ用のテントと相性がいいサイズですが、この大きさならファミリーが焚き火用の風防として使ってもいいですね。
>> テンマクデザイン
3. 風をコントロールしつつ視界も確保
ローベンス
「ウインドスクリーン」(価格未定)※5月下旬〜6月中旬入荷予定
日本別注のウインドスクリーンは3面で、シェルターやテントの入り口付近だけ風と視界をコントロールしたいときにぴったり。ぐるりと取り囲むわけではないので周囲への威圧感はありません。
素材:TC、スチールポール
サイズ:450×H140cm
重量:5.2kg
高さはおおよそ140cm。上側30cmほどが透明なので、座ったままちょっと背を伸ばせば外をうかがえます。TCとスチールポールなので重量感はそれなりにあります。
クリアな窓と明るい色の生地で威圧感なく、風をコントロール。赤いロープや裾のラインなどローベンスらしいデザインが光ります。
>> ローベンス
4. ほどよく風を受け流すメッシュ製
コールマン
「スクリーンメッシュウォール」(4528円/税別)
コールマンでは2006年より数年間、風をコントロールする「ウインドスクリーン300」を販売していて、今シーズン登場のスクリーンメッシュウォールはそのノウハウを活かしています。
素材:ポリエステルメッシュ、スチールフレーム
サイズ:300×H145cm
重量:1.6kg
ナチュラルカラーで、ラティスのようなデザイン。本体は目が細かなメッシュで、ほんのり向こう側が透けて見えるため圧迫感がありません。西日を和らげる効果もありますね。
ポールと本体をつなぐのはゴム。ほどよく伸びて風を受け止めてくれます。
>> コールマン
■焚き火の風防、あたたかさアップ用
焚き火を囲むためだけの、ごく小さな陣幕もあります。最近の焚き火台は空気をたっぷり取り入れてよく燃える優秀なものが多いんですが、少しの風で燃えすぎてしまうことも。小さな陣幕で囲めば、焚き火に必要な風、そして熱量をコントロールできます。なによりも陣幕に熱が反射してあったかく過ごせるんです。
5. 焚き火小物の整理にも!
クイックキャンプ
「焚火陣幕 焔-homura」(1万2800円)
3本のポールを通して、横方向にもポールでつなぐ独自機構で、焚き火用ハンガー、ランタンハンガーになります。両サイドにある三角のフラップは巻いてトグルで束ねてもよし。なんだかワクワクしますね。
素材:コットン、アイアンフレーム
サイズ:240×H70cm
重量:6.2kg
厚手のコットン製で、さらにランタンハンガー、焚き火ハンガーを兼ねているので小さくても重量はそれなり。ローチェアに座ると、肩くらいまでの高さとなり、冬は背中の風を遮るのにもよさそうです。
>> クイックキャンプ
6. ハリのある耐熱生地を採用
ロゴス
「TAKIBI de JINMAKU」(9900円/税別)
ロゴスはサイトを囲むタイプのほかに、こんなかわいい焚き火専用JINMAKUも用意しました。「TAKIBI de JINMAKU」の幕はコットンではありませんが、耐熱温度500℃のファイバーグラス生地の両面にシリコンコーティングを施し、焚き火の熱にもしっかり対応しています。
素材:ファイバーグラス、スチールポール
サイズ:90×90×H101cm
重量:1.5kg
幕はハリがあり、風でペラペラなびくことはありません。風に対抗する姿は頼もしい!
>> ロゴス
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陣幕は決してキャンプのマスト・アイテムではありませんが、「焚き火好き」「フリーサイトでのキャンプが好き」な人にはかなり使えるアイテムです。
取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/299027/
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