米magniX社が開発した電動推進システムで飛ぶCO2排出ゼロの飛行機が、5月28日に初のテストフライトを成功させた。
テストが行われたのは米航空産業の中心地といわれるワシントン州モーゼスレイクにあるAero TEC社のテストセンター(グラント郡国際空港内)。同社は航空機のテストと認可のサポートを提供する会社で、今回のテストを主導している。
世界最大の100%電動飛行機
テスト機は、セスナ社の単発ターボプロップ汎用輸送機「セスナ グランドキャラバン 208B」をベースに開発されたもの。ハイブリッドではなく、100%電気による750馬力/560kWの推進システム(magni500 propulsion system)が搭載されている。
Aero TEC社の発表によれば、電力のみで飛ぶ商業用航空機としては世界最大のものだとのこと。
航空・運輸業界にとって革新的な一歩
電動飛行機の実用化はCO2排出を削減できるだけでなく、中距離輸送のコスト削減にも繋がる。また、ジェット燃料で飛ぶグランドキャラバン 208Bと比べて、より小さな飛行場から離着陸できるそうだ。
magniX社CEO・Roei Ganzarski氏は、ニュースリリースの中で「今回のテストフライトの成功で、これまで不可能だった人と物の輸送サービスの新しいあり方が見えてきた」と述べる。
電動飛行機のテストフライトや認可手続きには、今のところ、前例に基づいた確実なロードマップがないといえる。そのため「手法をたえず開拓しながら進めてきた」と、AeroTEC社のLee Human社長はいう。
今回のテスト結果によって当局の認可が得られれば、電気バージョンの「セスナ グランドキャラバン 208B」が実用化されるだけでなく、推進システム(magni500 propulsion system)を他機種の飛行機に搭載できるようにもなるそうだ。
- Original:https://techable.jp/archives/126407
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:信人安谷
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