SpaceX(スペースX)がテキサス州ブラウンズビルの洋上施設のために専門家を募集していることが求人広告でわかった。目的は、同社の大型打ち上げロケット “Super Heavy”(スーパー・ヘビー)の発射場所となる洋上宇宙基地の開発と建築だ。SpaceXはその大型ロケットを、今後大型の運搬ロケットを月や火星に送り込むため、さらにはこの地球上での2点間移動のために使用するつもりだと、SpaceXのCEO Elon Musk(イーロン・マスク)氏が語った。
Musk氏はTwitter(ツイッター)で、Dan Paasch氏が最初に見つけたその求人広告の目的はこれだったと語った。以前SpaceXは、同社の打ち上げロケット、スーパーヘビーのコンセプトを紹介し、同時に宇宙船Starship(スターシップ)を超音速地球旅行に使って、長時間のフライトを数時間に短縮する構想も話した。しかしこうしたコンセプトはこれまでCGのみで、どこからどうやって飛び立つのかは今日までわからなかった。
スターシップとスーパーヘビーの主な開発目的は、SpaceXとMusk氏が火星へ人間を運び、月を始めとするさまざまな星間天体を植民地化して「人間を星間生物にする」というゴールを実現することだ。こうしたゴールはほとんどの人にとって無縁に感じられるが、同じ完全再利用可能宇宙船を使って、この地球上で2点間超音速旅行のコストを大幅に削減するという同社の狙いは、はるかに現実的だ。
宇宙を使った2点間移動は新しい概念ではなく、SpaceX以外にも実現を目指している人たちがいる。地球の大気圏の端、あるいは外側を飛ぶことで、燃料費や飛行時間を大幅に減らせるという発想だ。たとえばニューヨークとパリを1時間以内で移動できる。実際SpaceXは、2017年の発表の中で、スターシップを使った2点間移動は地球上のどの都市とどの都市の間も1時間以内で結ぶことができると語っていた。
SpaceXはスターシップをテキサス州ブラウンズビルで開発中で、そこは洋上設備技術者を探す求人広告が出された場所だ。同社はこの地域のテスト・開発施設を拡大中であり、州内の運営に特化した人材の増員も計画している。
Musk氏は今後の計画について多くを語らなかったが、別のツイートに答えて、この計画で「石油プラットフォームを改造し、ハイパーループで陸地と輸送する」ことは「十分計画のうち」であり、出発地や目的地の宇宙基地と地上を結んで乗客をピストン輸送することも考えていると語った。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/06/17/2020-06-16-spacex-to-build-floating-spaceports-for-rockets-bound-for-the-moon-and-mars-and-for-hypersonic-earth-travel/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Darrell Etherington
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