Apple ArcadeやGoogle Play Passのような新たなサービスは、モバイルゲームコンテンツにサブスクベースでアクセスできるというスタイルがとられている。昨秋、GameClub(ゲームクラブ)というスタートアップもこの分野に参入した。超ヒットとなったモバイルゲームを新たな収入源とするアイデアを試すためだ。GameClubの月5ドル(約530円)のサブスクサービスはiOSで始まった。これまでに計1億回のダウンロードがあった100超のタイトルを利用できる。そして米国6月18日、Androidでも利用できるようになった。提供するタイトルは現在120を超える。
GameClubのAndroidでの展開は、ゲーム業界が無料でプレイできるF2Pモデルに大きくシフトし、ユーザーがコンテンツに最初からお金を払いたがらくなっている中でのものだ。こうした傾向により、多くのジャンルのゲームがアプリストアからの脱落を余儀なくされている。GameClubのゲームのセレクションに目新しさはなく、アプリ内購入や広告で収益を上げるタイプでもない。
GameClubの共同創業者でCEOのDan Sherman(ダン・シャーマン)氏はサービス開始当時、F2Pモデルは一握りのジャンルでのみうまくいき、アクションやアドベンチャー、アーケード、タワーディフェンスなどの復活を試みている多くのジャンルではそうでないと説明した。基本的にGameClubは永久に続くようにつくられているゲームではなく完結型のゲームを提供する。
Apple ArcadeやGoogle Play Passの仕組みと同様に、GameClubユーザーは全てのゲームにアクセスするために購読料を払う。1つの購読で最大12人がiOS、そしてAndroidの端末でゲームを楽しめる。オンラインとオフラインの両方に対応し、アプリ内購入や広告は一切ない。
iOSでは計87のゲームができるようになり、Androidでは立ち上げにあたってまずは40のゲームが用意された。しかし同社はさらにゲームをリリースし、AndroidもiOSと同じ数になる見込みだ。新しいゲームは毎週追加される。
「サブスクは健全で、さほど高価でないゲームの楽しみ方だ。うっとうしい広告やルートボックスもない」とシャーマン氏は話した。「GameClubはiOSとAndroidの全ゲーマーにこうしたメリットを提供できる唯一のサービスだ。お手頃価格で、スキルベースのエンターテイメントをほぼ全てのスマホとタブレットを通じてあらゆる場所のゲーマーに届けるべく、サービスを拡大する」と付け加えた。
GameClubのカタログはモバイルゲーミングサイトTouchArcadeの前編集主任、Eli Hodapp(エリ・ホダップ)氏が引き続き監督する。GameClubを代表するタイトルとしては、Breach & Clear、Paint it Back、Spider: Rite of the Shrouded Moon、Legendary Wars、Monster Wars、Flick Fishing、Pocket RPG、Cursed Treasure 2などがある。
これらのタイトルは契約を結んだ後にGameClubによって単に再配信されているだけではない。GameClubのデベロッパーチームはゲームが新しく感じられるよう、たとえば最新のスクリーンサイズや解像度に最適化することでアプリのオリジナルコードをアップデートしている。
AppleはiOSアプリが他のアプリを販売するのを禁じているが、GameClubはiOS上での展開が許されてきた。というのも、GameClubハブは自前のアプリストアではないからだ。その代わり、iOSユーザーは個々のGameClubゲームを直接App Storeからダウンロードしなければならない。
ただ、Appleの承認を得るのは簡単ではなかった。GameClubが言うには、立ち上げ前にアプリは127回もAppleに却下され、同社のデベロッパーアカウントは1カ月間調査を受けた。この間、AppleはGameClubの申請のレビューを停止した。
その後、調査は何の説明もなく終わった、とシャーマン氏は述べた。GameClubのレビュープロセスはApple Arcadeがリリースされた後に簡単になった、とも指摘する。しかしGameClubはこれまでにApp Storeで特集されたことはなく、おそらくこれはGameClubの性質がApple Arcadeと競合するものであるためだとシャーマン氏は考えている。
GameClubは購読者数や売上高についての情報を明らかにするのは却下した。
「我々はそうした数字は公開しない。しかしiOSアプリが昨秋リリースされて以来、あらゆるアスペクトで前年比で毎月2桁成長している」とシャーマン氏はTechCrunchに語った。「モバイルゲーミングのコミュニティの大部分は真にプレミアムなゲーム体験を求めていて、GameClubはそうした人々が探しているプレイスタイルを提供している。また、GameClubでは邪魔な広告やユーザーを食い物にするアプリ内課金、そのほか近代のモバイルゲーミングに付き物となっている煩わしいものが一切ない」と述べた。
Androidアプリの開始で、GameClubのライブラリー上では、まだプラットフォームで提供されていない12以上のベストセラーゲームが特集されている。そのうちのいくつかは初めてAndroidで提供される。Flick Fishing、Puzzlejuice、 Swap This!、Zombie Match Defense、ORC: Vengeance、 Hackycat、Raid Leader、Wizard Golf RPG、Cubed Rally Racer、Return of the Zombie King、Potatoman Seeks the Troofなどだ。リスト一覧はここでチェックできる。
GameClubのAndroidアプリはiOSに加え、Google Playでも入手できる。
画像クレジット: GameClub
[原文へ]
(翻訳:Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/06/22/2020-06-18-gameclub-brings-its-subscription-based-gaming-catalog-to-android/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Sarah Perez
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