[Gear Maniax #189] メインはたった0.4ルーメンの赤色光…もうガチすぎて…

今回ご紹介するのはトンガりすぎて玄人裸足的なアイテム。ガチプロ御用達すぎて、素人の立ち入る隙もありません。

SUREFIRE「V1 VAMPIRE」。そのバリエーションで、型式はV1-C-BKとなります。今回、私自身初めて手にしました。

姉妹機であるV1-B-BKは、白色光と赤外線の兼用機種で最大250ルーメン。それぞれの光でHIGH-LOW切り替えでき、十分にEDCライトとして日常的な役割を果たせます。一方、「有事にはこいつで戦うんだ」的な、ロマンあふれるIR搭載機種でもあります。あくまでも主観ですが、それに応え得る精悍なデザインも魅力的。

しかしこのV1-C-BKは、ガチすぎて「一般人の日常」が入り込む隙間がないのです。

メインとなる赤色光は0.4ルーメンのシングルモード。「はい?」となった方も多いでしょう。私も意味がわからず、AVIATORのような二段階調光のLOWの表記なのか、それとも赤色光ゆえに極端に低く出る計測数値をそのまま載せたのか? などと疑いました。

しかし、点灯してみて納得。これは1ルーメンもない(笑)。暗すぎて実用的でないと言われることもあるSUREFIRE Eシリーズの5ルーメン(写真左)よりも「はるかに」暗いです。

ちょっと蓄光させたBEACON PATCHの方が明るく感じるってどうなの。

いつもの設定では闇しか映らないので、100倍ほど明るく(100倍長くシャッターを開いて)撮影したのがこちら。光学系はTIR、XP-E2かと思います。非常に細く鋭い照射です。

多少でも照明が感じられる場所では、もはや周辺光は感じられません。中心光も、ほとんどない。ただ、暗闇に慣れた目であれば、大きな障害物を避けて歩くことはできます。本当にもう、ギリギリの線を突いたプロダクトです。

サブと言っていいのかどうかはわかりませんが、IRはHIGH-LOW 2段階。通常通り?姉妹機のV1-B-BKと同じように?使えます。IRは米軍を中心とした、軍隊の最新装備としても有名。特に非対称戦の時代に入ってからは「持つもの側」の装備として一般的になっています。このV1-C-BKは、間違いなくそういう「ガチな夜の戦場」で隠密行動をする際に使われるもの。隠密行動中に操作を誤って数千ルーメンを撒き散らすことのないライトです。

V1やAVIATORの外観は実に精悍ですね。個人的にはとてもカッコよく感じます。Eシリーズのヘッドデザインの中では一番好きかな。Z68テールスイッチもよく似合いますね。

V1やAVIATORの初期型では力を込めて引っ張る必要があった照射の切り替えですが、今の世代では引っ張ることはありません。やや重めながら重厚と言える範囲のテンションでチャキッ、チャキッとそのまま回せます。もともとミリタリーテイストの強いV1ですが、この操作感は銃器のレバー類を思わせますね。小気味好く、精度の高さを楽しめます。

ヘッドの中は独特。少し偏心しています。ヘッドを回すとTIRの光学中心が動いて、それぞれのLEDを光学軸を合わせます。そのためOFFポジションでは、隣り合ったLEDが半分ずつ見えます。精緻なギミックがたまりません。

素人にはオススメできない理由をご理解いただけたでしょうか。EDCで使いながら戦いにロマンを馳せるなんてことはできません。浪漫のためだけに何諭吉も支払うか、ガチの戦場に赴く人が命を預けるために選ぶか、どちらかにしかなりえないライト。
「星空観察に最適」なんて、そういう言い訳じみた宣伝をこのライトにはしたくないですね。

ただただ、こういうライトが存在することを知らせたくなるライトです。SUREFIREの凄さはこういうところにあるんだぞ、という感じもしますね。(アカリセンター価格:4万4050円)

<文・写真/アカリセンター

 

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