テキサス大が開発の「全液体金属電池」は室温でも扱えて大容量化も可能!

EVなどへの利用が期待される全個体電池が注目されるなか、安全性や容量の面でこれに劣らない電池が開発された。

このほど、テキサス大学オースティン校の研究チームが、「全液体金属電池」を発表。この電池は、固体電池と液体電池との両方の長所を併せ持つという。

高い電力需要に対応できる可能性がある電池の新技術について見ていこう。

スマホからスマートグリッドまで幅広く活用できる

スマホなどで一般的に利用されるリチウムイオン電池は、電解質が液体で、発火しやすいなどの欠点がある。また、フロー電池などの液体電池は、耐久性に優れているがシステムが大掛かりなためポータブルな用途には不向きだ。発火の心配もなく大容量小型化が可能な全個体電池といえども、経年による充電効率の低下はまぬがれないだろう。

研究チームによる全液体金属電池は、従来の電池のいいとこどりをしたような発明品だ。液体なのでエネルギー密度が高く、容量はサイズとともに可変。リチウムイオン電池よりも大きな電力が得られ、充電速度を上げることも可能なので、スマホからスマートグリッドまで幅広い用途で活躍する可能性がある。

20℃でも液体のまま

既存の液体金属電池の多くで、240℃以上の高温を維持する必要があるのに対し、今回開発のものは20℃でも液体のまま。開発を進めることでさらに低い融点を達成する可能性もあるとのこと。

電池を構成する材料のほとんどは安価で大量生産に向くが、電極に含まれるガリウムが高価な材料となり、研究チームは同じ性能を発揮できる代替材料を探る意向だ。

全液体金属電池の実用化と普及は、より安価な材料が見つかるがどうかにかかっている。

参照元:New Room-Temperature Liquid-Metal Battery Could Be the Path to Powering the Future/ UT News


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