7月の第1週に2500本超のモバイルゲームが中国のApp Store(アップストア)から削除された。アプリストア調査会社であるSensor Towerの最新レポートで明らかになった。ライセンスのないゲームに対する計画通りの取り締まりで削除は予想されていた。しかしこれはアプリ経済への影響を示すデータとしては初めてのものとなる。
比較材料として、7月に削除されたアプリの数は4月第1週の4倍、5月第1週の5倍、6月第1週の4倍超だ。アプリ削除は、中国のゲーミング規則へのApple(アップル)の新たなコンプライアンスと関係がある。
今年初め、アップルはアプリのデベロッパーに6月30日までにモバイルゲームに関する中国の法律に則るよう案内した。2016年に施行されたこの法律では、有料ゲームとアプリ内課金のゲームを提供しているゲームデベロッパーに、中国の検閲団体の1つ、広報出版総局からライセンスを取得することを義務付けている。
何年もの間、iPhoneゲームデベロッパーは、ゲームをリリースした後にライセンス承認を待つことで法律を回避してきた。ライセンス承認は時間がかかる退屈なプロセスで、2018年にあったように審査作業の一時停止があれば数カ月以上もかかる。中国当局がポルノやギャンブル、暴力、その他の政府が不適切とみなすコンテンツを含んでいるゲームをさらに取り締まるために業務を見直した時、ライセンス発行が9カ月間止まった。
メジャーなAndroidアプリストアはすでに2016年ルールを適用していたが、アップルでは抜け道があり、モバイルゲーム業界は中国のiPhoneプラットフォームで何年も生き延びていた。
アップルの対応から、App Storeで何千ものゲーム削除が7月に始まることが予想されていた(Engadget記事)。Sensor Towerのデータはそのときがきたことを示している。しかしSensor Towerのデータは、サブカテゴリーチャートを含むApp Storeのチャートにランクインするほどダウンロードが多かったゲームのみをとらえている。
削除された2500本あまりのゲームのうち、2000本のゲーム(80%)は2012年以来のダウンロードが1万回以下だったとSensor Towerは推定している。それらのゲーム合わせて計1億3340万回のダウンロードがあった。削除されたゲームの総売上高は合計で3470万ドル(約37億円)で、うち1つのゲームが1000万ドル(約11億円)超、そして100万ドル(約1億1000万円)超を売り上げたゲームは6つあった。
削除されたゲームの中で有名なものには、GluのContract Killer Zombies 2、ZyngaのSolitaire、Crazy LabsのASMR Slicing、FlaregamesのNonstop Chuck Norrisがある。直近では、SupercellのHay Dayも削除された。
ゲームマーケットへの変更、そしてアプリ経済への新型コロナウイルスの影響により、第2四半期におけるiOS消費者の消費額においては米国が再びトップとなっている。App Annieによると、第2四半期の米国iOS消費者の消費額は前年同期比30%増だった。
中国は世界で最も儲かるモバイルゲームマーケットだっただけに「ゲーム削除による長期的な影響がアップルの収支に表れるかもしれない」とSensor Towerは指摘した。2019年に中国のApp Storeのゲームは推定126億ドル(約1超3500億円)を売り上げた。これはアップルのマーケットプレイスでの昨年のグローバルゲーム支出の33.2%を占めるという。
画像クレジット: Sensor Tower
[原文へ]
(翻訳:Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/07/16/2020-07-15-over-2500-games-removed-from-apples-china-app-store-in-early-july-as-crackdown-begins/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Sarah Perez
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