近年、いろいろなタイプの焚き火台が登場しています。超軽量だったり、反対にタフでゴツい焚き火台だったり。メッシュで通気性がよいものから煙突構造、二次燃焼などなど、いずれ劣らぬ個性的なモノばかり。
そんな焚き火事情ではありますが、今までにないスタイルの焚き火台がデビューしました。detour life×FUJIKINKOの「BONFIRE STAND 2.0」(1万4800円/税別)で、吊り下げとスタンドの二刀流!
開発したのは東京・足立区でクッションやぬいぐるみ、鞄などを作っているTSUNOKAWAFARM。オリジナルブランド「detour life」ではアウトドアチェア&ソファ用クッションの製作を行うほか、いい工場を見つけたらいっしょにテーブルや食器を作るなど多岐にわたっています。
「BONFIRE STAND 2.0」は、東京下町の金属加工工場とタッグを組んだプロジェクト第1弾となる製品。ジャンルにとらわれないモノ作りの会社だからでしょう、業界初の吊り下げて使う焚き火台として各方面で注目されています。
さて、一体使い勝手はどうなんでしょうか?
■プレートの組み立てはとっても簡単
焚き火台、コーヒードリッパー、テーブルなど、いくつかの製品にはネジを使わずプレート同士の切り込みに差し込んで組み立てるタイプのものがありますが、不器用さんには結構時間がかかって“イーッ”てなってしまいます。「BONFIRE STAND 2.0」はどうでしょう?
3枚のプレート、焚き火台のスタンドにもランタンスタンドのペグにもなるペグポール3本、そして吊り下げ用ワイヤーのセットです。43.5×30.5cmのぺたんこの三角形収納袋に収まっています。
プレートは1枚だけロゴが刻まれているので、その形にあわせて向きをそろえます。そうするとプレートの右側にフック、左側にスリット(切り込み)があることがわかります。2枚のプレートを同じ方向に持ってフックをスリットに入れ、残った1枚のプレートも同じようにスリットにフックを通せば完成です。
プレートを組み合わせるタイプの製品は、3面目、4面目を組み立てている途中でスリットから抜けて崩壊しがちですが、3面であれば片手で押さえられるので楽に組み立てられます。それにスリットとフックの幅はきっちりしていますが、スリットが入れやすくて抜けにくい絶妙なさじ加減の長さになっているので、変にゆがませることなくスッと差し込めました。
細長いスリットから底の丸い穴に向けてペグポールを差し込みます。ペグポールは3本あるので同様に差し込むだけ。
これでスタンド型の完成です。地面から底まで5.5cmですから草地では耐熱シートを使ったほうがいいですね。組み立てサイズは33.5×33.5×H30.5cmです。
吊り下げ用ワイヤーをプレート上部の穴に引っかければ吊り下げ式になります。単純ですが目から鱗!
吊り下げ式ワイヤーはよくあるチェーンタイプではなく細いステンレスワイヤーなので、絡まりにくくかさばらないのがいいですね。
ちなみに吊り下げワイヤーの長さは50cmになります。
■2.0では空気孔を追加して燃焼効率アップ
焚き火台なので、見た目だけではダメ。ほどよくきれいに燃えないと、道具としての価値は半減してしまいます。
ロストルがなく空気の通りが悪いのでは…と思いましたが、三角錐のため薪がギチギチに詰まることがなく空気の通りは良好。スタンドを使う場合、ペグポールのおかげで薪の下に空気穴があるので、なおさら燃えやすくなっています。
「BONFIRE STAND 2.0」という名前からもわかりますが、この製品には初期モデルがあります。
もともとの「BONFIRE STAND」は吊り下げられずスタンド型のみ。「2.0」になって吊り下げ穴を装備したほか、上部にも空気孔を追加し、より美しい炎を得られるようになりました。
■人気の小型鉄板を載せられる!
せっかくの焚き火なんだから、湯沸かしやちょっとしたあぶり焼きなんかができると最高です。「BONFIRE STAND 2.0」にはゴトクが付属されていませんが、フチが簡易ゴトクになるんです。
三角錐の焚き火台なので、フチを利用して小型クッカーや鉄板を載せられます。
3本脚なので重い鍋はバランスを崩す危険がありますが、ソロ〜デュオ用の底が広くて背の低いクッカー、ケトルであれば大丈夫。キャンパー人気の高いメスティン、ヨコテツならいい感じに載せられます!
シェラカップは少々あやしいですが、ロッキーカップなら安定感があります。それに35×35cmくらいの焼き網が各社から販売されているのでゴトクがわりにしてもいいかもしれません。
■横から、そして下から眺める炎に感激
本邦初の吊せる焚き火台。地面に置くのとは違い、時折ゆらゆら。下〜横から眺める炎はかがり火に似ていますが、焚き火台自体が小さく揺れるのが不思議です。
ランタンハンガーやトライポッドに吊して使います。立木の枝に吊すと雰囲気抜群ですが、焚き火の熱は思いのほか強力で上空まで立ち上ります。とくに杉やヒノキといった針葉樹は表皮が薄く、焦げる程度の熱でも枯死すると言われています。吊り下げワイヤーの長さを考慮しても木を傷める危険は0ではないので避けた方が無難。
なお、万が一、倒してしまうと火のついた薪が四方に散らばるのでランタンハンガーはしっかり固定しましょう。ランタンハンガーのペグを忘れたなら「BONFIRE STAND 2.0」のペグポールを使ってもいいですね。
実際に吊して焚き火をしてみたところいつも以上に焚き火に見入ってしまいます。通常、コットやハンモックに寝転ぶと焚き火の明かりを感じても、炎は確認できません。ところが吊すことでゴロンと横になりながら焚き火の炎が見えます。
ランタンハンガーは簡単に高さを変えられます。イベント会場など椅子なしで集まり、焚き火トークを繰り広げるなんて時にもいいですね。
地面に置いても、吊り下げても使える焚き火台は、リラックスしながら炎を見るという焚き火好きの夢をひとつかなえてくれました。
また、TSUNOKAWAFARMでは現在専用ゴトクを開発中で、早ければ8月末に発売されるとのこと。ピッタリサイズで美しい焚き火料理を目指す人は期待して待ちましょう。
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/314770/
- Source:&GP
- Author:&GP
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