日本ディープラーニング協会が高専生対象コンテスト開催、最優秀賞の東京高専チームが企業評価額5億円を獲得

日本ディープラーニング協会が高専生対象「ディープラーニングコンテスト」開催、最優秀賞の東京高専が企業評価額5億円を獲得

東京大学大学院工学系研究科 松尾豊教授が理事長を務める日本ディープラーニング協会(JDLA)は8月24日、「第1回全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2020」(DCON2020)本戦を8月22日に開催したと発表した。最優秀賞を「東京工業高等専門学校 プロコンゼミ点字研究会」が獲得した。同校は企業評価額5億円、投資総額1億円という評価を受け、副賞の起業資金100万円と日本ディープラーニング協会若手奨励賞も同時に授与された。本戦の模様は、NHK教育テレビジョン(NHK E)の番組「サイエンスZERO」において、9月6日23:30と9月13日23:30の2回にわたり放送される予定。

日本ディープラーニング協会が高専生対象「ディープラーニングコンテスト」開催、最優秀賞の東京高専が企業評価額5億円を獲得

JDLAは、ディープラーニングを事業の核とする企業が中心となり、ディープラーニング技術を日本の産業競争力につなげるという意図のもと設立。

DCON2020は、高専生が日頃培った「ものづくりの技術」と「ディープラーニング」を活用した作品を制作し、その作品によって生み出される「事業性」を企業評価額で競うコンテスト。審査では、実際にスタートアップ企業の評価時と同じ基準で評価を行い、技術価値を企業評価額と投資金額でジャッジする点が、他のコンテストと違うDCONの大きな意義という。新たなビジネスにどの程度の価値があるのかを、売上や利益に加えて、事業の意義・市場の大きさ・経営者とメンバーの資質などから判断する。

最優秀賞は「東京工業高等専門学校 プロコンゼミ点字研究会」の「:::doc」(てんどっく)が獲得。印刷された文字と点字の相互自動翻訳を視覚障がい者自身で行えるシステムで、テクノロジーを使って情報アクセス不平等をなくす、社会的意義の高い取り組みが評価された。

日本ディープラーニング協会が高専生対象「ディープラーニングコンテスト」開催、最優秀賞の東京高専が企業評価額5億円を獲得

また最優秀賞のほか、各協賛企業が表彰する企業賞が授与された。

日本ディープラーニング協会が高専生対象「ディープラーニングコンテスト」開催、最優秀賞の東京高専が企業評価額5億円を獲得

JDLAおよびDCON実行委員会は、今後もDCONの継続的な開催によりディープラーニングの産業活用を促進する若手人材の輩出を目指し、引き続き同コンテストを運営。「DCON2021」開催が決定済みで、エントリー締め切りを10月30日までとして、受付開始を開始している。

例年DCONでは、課題解決策を事業案として提出する一次審査、プロトタイプを制作し技術面での実現性を審査する二次審査を経て、本選出場チームが決定される。本選出場チームは、高専出身者を含む事業経験豊富な起業家有志が各1名ずつメンターとして参画。開発作品の「事業性」を磨き、本選審査員のベンチャーキャピタリスト陣から企業評価額を勝ち取るためのプレゼンテーションを行う。

最優秀賞(1チーム)には、賞状、副賞の企業資金100万円を授与。また日本ディープラーニング協会若手奨励賞(1チーム)が用意されているほか、優秀賞なども表彰予定。


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