ケンブリッジ大が光合成を模倣した「人工葉」デバイス! 二酸化炭素を有効利用

環境への負荷を軽減すべく、化石燃料による発電に替わる技術が模索されている。太陽光発電システムは、二酸化炭素の排出量を削減する点で有望だが、それでも太陽光パネルをはじめとする廃棄物が出る。

ケンブリッジ大学の研究チームが開発した「人工葉」デバイスは、植物の光合成を人工的に再現するもの。太陽光と二酸化炭素、水を使用してクリーンエネルギーが生成できる。

生成したエネルギーの保存や輸送が簡単

同デバイスは高度なフォトシート技術に基づいており、太陽光と二酸化炭素、水を利用し、副産物として酸素とギ酸を生成する。

直接エネルギーを生成することも、生成物を液体燃料にしておき、輸送先でエネルギー利用できる。

太陽電池からのコンポーネントを使用する従来の人工葉デバイスと違い、シートに埋め込まれた光触媒のみ利用する。シートはコバルトの粉末からできており製造が容易。このためコストを抑えて大量生産することも可能だ。

数平方メートルにスケールアップすることも

テストでは20cm2サイズのデバイスが用いられたが、これを数平方メートルに拡大することは簡単とのこと。ギ酸は溶液中に保存して、さまざまな種類の燃料に変換できるので、スケールアップすることで農場などのエネルギーがまかなえるだろう。

安定性、利便性が高く、環境負荷を抑えたエネルギー生成を可能にする同デバイスは、すぐにでも大々的に展開してほしいところ。ただ、商用展開にあたっては、安定性と効率のさらなる改善が必要とのことで、研究チームは引き続きさまざまな触媒を試す計画だ。

参照元:Wireless device makes clean fuel from sunlight, CO2 and water/ University of Cambridge


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