ペンシルベニア州立大による伸縮可能なウェアラブルセンサー、従来の10倍の感度を実現

排気ガスなどに含まれる二酸化窒素は人体にとって有害。呼吸器系の疾患を誘発することが知られている。

ペンシルベニア州立大学、ノースイースタン大学、および中国の5つの大学の研究チームによって開発されたウェアラブルセンサーは低濃度の二酸化窒素も検出できる。

この伸縮可能なセンサーでは、新材料が用いられているほか、これを塩の結晶中に配置している点でユニークだ。

新材料を細かく砕いた塩の結晶でパッキング

センサーに用いられた新材料は、二硫化モリブデンと還元型酸化グラフェンを組み合わせたもの。研究チームは、これを細かく砕いた塩の結晶でパックすることでセンシングの感度が高まることを見出した。

研究チームは、センサー材料の形状が、二酸化窒素分子の検出にどう影響するかをテストすることに。さまざまなサイズの塩を用いて比較した。

最終的に、塩の結晶サイズが細かいほどセンシングの感度が高まることを発見。これは塩を水で溶かしたテストで明らかになったようだ。

濃度100万分の1以下でも検出可能

テストの結果、新材料を用いたセンサーは濃度100万分の1以下の二酸化窒素も検出可能なことが判明。これは従来の設計の10倍の感度とのこと。

研究チームはまた、材料の形状を工夫することで、センサーの感度と精度を向上させる手法を発見したことがより重要だとしている。

伸縮可能な二酸化窒素センサーは、リアルタイムでの環境モニタリングやヘルスケア領域での活用が期待される。

参照元:An improved wearable, stretchable gas sensor using nanocomposites/ Penn State News


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