LINE株式会社とエムスリー株式会社の合弁会社であるLINEヘルスケア株式会社は、クリニックの検索・予約から診察・決済までLINEで完結するオンライン診療サービス「LINEドクター」の提供を2020年11月より開始する。
健康相談から診療へ
同社は、医師にLINEで健康相談できるサービス「LINEヘルスケア」β版のAndroid版を2019年12月、iOS版を2020年1月にリリース。
この時点では、オンライン診療ではなく、オンライン医療相談というかたちでサービスを提供してきた。新型コロナウイルスが猛威をふるうなか、2月の「LINEヘルスケア」の相談件数は前月比40倍に達し、3月末にはさらに急増、2020 年8月時点で累計30万件に達したという。
その後、4月10日に厚生労働省が発表した「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診察等の時限的・特例的な取り扱いについて」により、初診でのオンライン診療や薬の処方(条件あり)が解禁となった。
同ウイルスの収束の目処が立たないなか、オンライン診療は感染予防と患者の通院負担軽減、医療従事者の負担軽減という観点から重要な医療体制だといえる。しかし、ユーザー側の導入ハードルの高さや医療機関側の導入のコストの負荷などオンライン診療普及へは課題もあるようだ。
そこで、同社は月間 8,400万人が毎日利用している「LINE」を活用した「LINEドクター」を開発、11月より提供を開始する。
身近になるオンライン診療
「LINEドクター」は、LINEアプリ上でクリニックの検索と診療の予約から無料ビデオ通話での診察、決済までを完結することができるサービスだ。サービスの利用料は無料で、ユーザーは診察料と処方箋による薬代や薬の配送料金を支払うのみ。
今後は「オンライン服薬指導」との連携も視野に、自宅にいながら医師の診察を受け、処方された薬を薬剤師 の服薬指導のもと自宅で受け取ることができるシステムの構築を目指している。
提供に先駆け、「LINEドクター」参加クリニックを募集中。提供開始当初は「Basic Plan」のみの提供となり、初期費用・月額費用は無料で決済手数料のみの負担で運用可能だ。将来的には、クリニックの利用環境・機能などによって選べる複数プランの提供を予定している。
また今後、コロナ禍でのオンライン診療における時限的・特例的な対応が終了した場合、初診は対面診療となり、その後の診療については医師の判断のもと実施されることとなるが、引き続き同サービスは利用可能とのことだ。
ユーザーと医療機関双方のオンライン診療へのハードルを下げる同サービスは、時限的・特例的な対応を追い風に、急速に浸透していきそうだ。また、時限的・特例的な対応が終了したのちも、高齢者の通院負担の軽減やクリニックの業務効率化などに貢献するのではないだろうか。
- Original:https://techable.jp/archives/137329
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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