小さくても前室ゆったり!ソロキャンパーに愛される ogawa「ステイシーST-Ⅱ」

【アウトドア銘品図鑑】

2020年春、ogawaブランドのロングセラー「ステイシーST-Ⅱ」(4万2000円/税別)が“サンドベージュ”と“カーキ”という今どきカラーの2色展開になりました。ソロキャンプ人気と相まって、なかなか好調な売れ行きのようです。

ステイシーといえば、ソロ〜デュオキャンパーに人気の小さなテントにも関わらず、奥行き110cm・高さ130cmのゆったり前室を持つ居住性の高さが自慢。初代「ステイシー」が登場したのがたしか2004年ごろで、以降、素材やベンチレーターの変更があったもののフレーム構造はほぼ変わりがなく、一目でわかるシルエットとなっています。

「ステイシーST-Ⅱ」が愛される理由とは一体どこなのでしょうか?

 

■ひとりでもスムーズに設営できる

「ステイシーST-Ⅱ」は3本のポールを使うとてもシンプルな構造です。しかも細部にまでこだわっていて、悪天候時でもスムーズに設営できるよう配慮されています。

収納袋の中には、フライシート、インナーテント、アルミ合金ポール、張り綱、アルミペグが入っています。ポールのうち1本はジョイント金具が付いたY字型ですが、ジョイント金具自体がコンパクトなのでスッキリまとまっています。

インナーテントを広げると、前室方向にセルフスタンディングテープがあるのでこれも広げておきます。ストレートポールが2本あるので、それをクロスさせ、インナーテントの四隅に止めて、フックでインナーテントを引っかけるという構造です。

次はインナーテントの後ろにテープが1本伸びているので、そこと前室スタンディングテープのはと目にY字ポールを差し込みます。

どのポールもはと目に引っかける部分がちょっとくぼんでいて、はと目から外れにくくなっています。こっちを入れたと思ったら反対側が抜けて…という嫌な“ソロキャンプあるある”を防止してくれます。

吊り下げ用フックは、指を引っかけやすい形状なので設営・撤収時に指を挟みにくくなっています。またY字フレームに引っかけるフックは、クロスフレームをはさみこむようにするので、風が吹いてもぶれにくくなっているんです。

インナーテントは高さ120cm、前室部分の高さは130cm。これだけでも前室のゆったり感がわかります。

最後にフライシートをかぶせ、内側にある面ファスナーでポールに固定します。あとは張り綱やペグを使ってテントを固定すれば完成です。5分もあれば設営終了というイージーさがうれしいですね。

 

■小さな子となら親子3人で眠れる

インナーテントは150×220×H120cm。大人なら1〜2人、小さな子なら親子3人でも眠れる広さです。

インナーテントの前後には大きなドアパネルが付いています。かつてのステイシーシリーズにはサイドにもメッシュが付いたものがありましたが、「ステイシーST-Ⅱ」は背が高く、前後ドアパネルに大型メッシュが付いていて、サイドのメッシュがない分、軽くなっています。

後ろ側からも出入りしやすく、ブーツくらいは置けるスペースがあります。それに後室にもベンチレーターが搭載されていて湿気を排出しやすくなっていて湿気の多い日本の気候にぴったりです。

 

■ソロならタープなしでも快適

前室は三方向を開けるので開放的。サブポールがあればドアパネルを跳ね上げてリビングを増やすことだってできます。

110×230×H130cmで、ソロ用のチェア、テーブルを納められます。

前室は両側に巻き上げるドア、正面に張り出し可能のパネルを搭載していて、全部を巻き上げると圧迫感はありません。ファニチャーをいれたまま全部閉じるとさすがに手狭ですが、肌寒い季節はサイドドアを閉じて前面を張り出すと寒さを防ぎつつゆったりリビングを確保できます。このテントひとつでいろいろとアレンジできるのは夢がありますね。

上部にベンチレーターがあるので全閉でも結露対策は万全。

わかりづらいですが、サイドドアのすそにコードが付いていて、ファスナーの動きと連動します。雨の日、ドアを開けても裾が地面に垂れてドロドロにならない。これは初代「ステイシー」から搭載されているありがたい機能です。

収納サイズは52×19×19cmで総重量3.9kg。

決して超軽量とはいえませんが、フレームの折寸40cmなのでコンパクトカーはもちろん、バイクにも載せられます。キャンプ場でのんびり過ごすスタイルのツーリングライダーに愛されているのも納得です。

2kg以下の1〜2人用テントは珍しくありませんが、そういった軽量テントは寝室も前室もコンパクト。雨の日キャンプに備えてタープ+ポール(1.5kg程度)は不可欠です。

「ステイシーST-Ⅱ」ならこれひとつで真夏も肌寒い季節も快適なリビングを得られます。少しばかり重量はありますが、キャンプ場滞在時のストレスは大きく軽減。滞在型キャンパーにとってはかなり使い勝手のいいテントです。

>> キャンパルジャパン

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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