加齢により関節が変形する変形性関節症。健康長寿ネットによれば、60歳以上の人口の80%で所見がみられるとの報告があるという。膝の関節が変形する「変形性膝関節症」はその代表的なもので、自覚症状のない患者も含め3000万人以上が患っているとのこと。予防法や治療薬が開発されればインパクト大だ。
こうしたなか、カーネギーメロン大学およびピッツバーグ大学の研究チームは、変形性膝関節症の兆候を検出できる機械学習アルゴリズムを作成した。同技術を活用すれば、現在のところ、主な対処法が人工関節への置換というこの疾患に、予防薬が開発される可能性もある。
人間の目には判別できない微妙な兆候を認識
ドクターがレントゲンで変形性膝関節症を発見するときは、すでに軟骨がすり減った状態。研究チームは、人間の目では判別できない微妙な兆候も、機械学習によってパターンが認識できるとの仮説をもとに研究を開始した。
変形性膝関節症のMRIスキャン画像を7年間にわたって追跡。その際研究チームは、調査開始時に軟骨の損傷がほとんどない患者のデータに焦点をあてたようだ。
78%の精度で変形性質関節症の発症を予測
研究チームは、膝のMRIデータを使用してモデルをトレーニングし、初見の患者のデータでのテストを繰り返した。
検証の結果、機械学習アルゴリズムは3年前のMRIデータから、約78%の精度で変形性膝関節症の発症を予測できたという。
いまのところ、変形性膝関節症の悪化を防ぐ有効な手立てはないようだが、機械学習アルゴリズムで3年後の発症を予測できれば臨床試験の参加者を絞り込むことが可能。治療薬の開発におおいに役立てられそうだ。
参照元:Artificial Intelligence Detects Osteoarthritis Years Before it Develops/ News Wise
- Original:https://techable.jp/archives/138252
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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