9月17日に正式版がリリースされた「iPadOS 14」。従来のiPadでは弱点だった使い勝手の面に、改善された機能がいくつかあります。そこで、同バージョンを実際に試したうえで、作業効率を改善するために知っておきたい新機能の活用方法を紹介します。
■便利なウィジェットを配置しよう
iOS 14では「Appライブラリ」画面の追加や、ホーム画面にウィジェットを設置できることが象徴的なアップデートでしたが、iPadOS 14では、機能が微妙に異なります。iPadOS 14では「Appライブラリ」画面が存在せず、ウィジェットも「今日の表示」欄にしか配置できません。
それでも、配置するウィジェットを工夫すれば、作業効率をUPできるでしょう。
▲iPadOSのウィジェットは「今日の表示」欄のみに固定可能
たとえば、ファイル管理でお馴染みの「Documents」などは早くもウィジェット表示に対応しました。最近使ったファイルをホーム画面のワンタップで起動できるので、同アプリを使っている方は試してみてください。
▲何もない部分をロングタップしてから、左上の「+」をタップ
▲ウィジェットを選んで配置しよう
ウィジェットの設定手順は、画面のアプリアイコンが無い部分を長押しして、編集モードに切り替えて、左上の「+」をタップ。ウィジェットの種類やサイズを選択して配置します。
■個々のアプリでファイル管理をうまく使おう
iPadOS 14では、ファイル管理関連の機能強化も目立ちます。ビジネスシーンでの活用に関しては、知っておいて損はありません。
例えば、写真アプリがサイドバー表示に対応したことは覚えておきたいポイント。画面左上のアイコンをタップすることでサイドバーが現れ、メディアタイプなどを素早く選択できるようになりました。
▲「写真」アプリで左上のアイコンをタップ
▲サイドバー表示で、メディアタイプなどの分類がわかりやすくなる
これによって、例えばスクリーンショットだけを表示したり、写真を特定のアルバムに対して振り分けたりする操作が容易になりました。
▲作成した「アルバム」へのドラッグアンドドロップでの整理が行いやすい
また、写真に対してキャプションを付けられる機能も覚えておきましょう。全画面表示の状態で上向きにスワイプすると、「キャプションを追加」という欄が現れます。冒頭に「#」を付けて記入したキーワードは、検索時のタグにもなるので、後から検索したい写真には、こまめにキャプションを記入しておくと良いでしょう。
▲画像や動画を全画面表示で上スワイプすると、キャプションを追加できる
▲頭に#を付けたキャプションは、検索にも引っかかるように
ちなみに、議事録作成やインタビューなどに「ボイスメモ」を活用する人にとっては、ボイスメモアプリ内でフォルダ分けができるようになったことも覚えておきたいポイントです。
なお、ボイスメモの再生時には「編集」画面で画面右上にあるアイコンをタップすることで、風切音などのノイズを低減できる機能も追加されているので合わせて確認しておきましょう。
▲「ボイスメモ」ではフォルダ作成機能と、ノイズ低減機能(画像のボタンでオン)の2つに注目
■音声・ペン入力を使いこなそう
入力操作に関連する改良もiPadOS 14では見受けられます。特に多くの人にとって恩恵が大きいと思われるのが、音声入力の利用です。Smart Connector対応のキーボードアクセサリーを装着したままでも、音声入力が使いやすくなりました。
音声入力をスタートするには、画面右下のアイコンをタップするか、ショートカットキー操作を行えばOKです。
▲Smart Connector経由でキーボード装着時にも音声入力を使用可能に。右下のアイコンから選択できる
▲素早く音声入力を活用するには、ショートカットキーの活用が必須。筆者のUS配列キーボードでは、デフォルトでキーの2度押しだった。なお、ハードウェアキーボードの設定から変更も可能だペン入力では、記述した文字をテキストデータに変換できる「スクリブル」機能がトピックですが、日本語は未対応。英数字でのみ利用可能です。
活躍する場面とすれば、電話応対時のとっさのメモで、メールアドレスや電話番号をテキストに変換できることでしょう。ただし、殴り書きで誤変換されてしまう可能性もゼロでは無いので、変換される瞬間は、目で確認しておくことをお勧めします。
▲たとえばメモアプリで「A」と記されたペンを選択し、数字を書くと、すぐにテキスト変換される
また、Numbersでスプレッドシートに数値を入力する場合にも、セルを指定してキーボードで入力するより、スクリブルを利用して手書きした方が楽なケースは多いでしょう。
▲Numbersのセルに数字を記入するのにもスクリブルは便利だ
ただし、ExcelやGoogleスプレッドシートなどでは、筆者が試した範囲では同機能が利用できなかったので、あくまでNumbersを使う場合に限られます。
なお、「スクリブル」の基本操作については、設定アプリの「Apple Pencil」画面にある「スクリブルを試す」から確認できます。
▲「スクリブル」の使い方は設定アプリの「Apple Pencil」>「スクリブルを試す」からチェックできる
「メモ」など一部アプリでは、整った図形を描ける機能も便利です。こちらはペン先を選ばず、図形を書いたあとに、ペン先を画面から離さずにいれば自動で実行されますので試してみてください。
▲図形を書いたあとに、ペン先を離さないでキープすると整った線が引ける。吹き出しや雲のようなパターンも可能だ。こちらはペン先に依存しない
■面倒なドラムロールUIでの入力をしなくて済む
一部のアプリで、ドラムロール式のUIを使わなくて済むようになったことも嬉しい改良点です。
例えば、「カレンダー」アプリの新規予定作成で日付を選ぶときや、「時計」アプリでアラームの時刻を設定する際などに、従来はドラムロールをぐるぐると回転させなければなりませんでした。しかしiPadOS 14では、これらがカレンダー上での指定になったり、数字の入力に対応したりしています。
▲カレンダーの新規予定作成で、ドラムロールを回転させなくてよくなった
▲「時計」アプリのアラーム設定でもドラムロールだけでなく数字の入力が可能に
■オートメーションを活用しよう
作業の自動化に挑戦したい人は、「ショートカット」アプリ内にある「オートメーション」機能のトリガーが増えたことも覚えておきましょう。
たとえば、電源に接続したタイミングで指定の動作を行えるようにカスタマイズできます。
▲「ショートカット」アプリの「オートメーション」のトリガーが増えている。たとえば、充電器への着脱を選択できる
▲充電器に装着すると指定のWebページを開くための通知画面が表示されるようなオートメーションを作成してみた。「実行の前に尋ねる」のオン・オフも選択できる(※このオートメーションの場合は、オフにしていても画面切り替えにタップ操作は必要)
デスクに到着し、電源に接続したタイミングでいつものウェブサイトやウェブサイトが起動するようにしたり、リビングで充電したタイミングでプレイリストが再生されるような設定に挑戦してみると面白いかもしれませんね。
* * *
紹介した以外にも、iPadOS 14では、メッセージアプリの進化やSiri・着信通知のコンパクト化など、重要なアップデートがあります。こちらについてはiOS 14のベータ版を紹介した既報で解説していますので、気になる場合には確認してみてください。
>> 「iOS 14」でiPhoneでもホーム画面にウィジェットが置けるって
また、iPadOS 14全体でのアップデートについて確認したい場合には、公式サイトからチェックしてみてください。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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