産業分野における音声アシスタント・コンタクトセンターにおける一次対応など対話AI実行環境「COTOBA Agent」を手がけるコトバデザインは10月2日、第三者割当増資による資金調達を実施したと発表した。引受先はSCSK。
今回の資金調達により、経営基盤の強化とともに、COTOBA Agentサービス改良のための自然言語処理技術・クラウドインフラ技術に秀でた人材の獲得、対話データ関連の投資、顧客獲得に向けたマーケティング活動の強化を実施する。
2017年8月設立のコトバデザインは、ヒトに寄りそう、対話インターフェースの創造と解放というミッションのもと、近未来では「対話」が複雑化したコンピューターシステムを使いこなす鍵となると考え、映像・音声・センサーなど多様なメディアを利用した対話プラットフォームの開発を手がけているスタートアップ企業。SCSKとは、スマートシティ分野などでの共創を推進し、快適で豊かな未来社会の創造を目指すとしている。
同社は2020年5月、産業分野向け対話AI実行環境COTOBA Agentの正式サービスを法人向けに提供開始。
同サービスは、自由度と運用の容易さを両立させたクラウドAPIサービスとなっており、自由なシナリオ作成、カスタマイズ可能な意図解釈モデル、充実した開発支援ツールや運用支援ツールといった特徴を備えている。
また目的別にシナリオを作成することで、シナリオに沿ったユーザーとの自然な対話を実現可能。産業分野における音声アシスタント、コンタクトセンターにおける一次対応、企業・自治体の窓口業務の自動化、ロボットやMaaSへの応用など、多様な用途の対話エージェントを開発できる。
コア部分については、2020年3月公開のオープンソースソフトウェア(OSS)版「COTOBA Agent OSS」と同じエンジンを用いており、高い透明性を確保しつつ、共通のエンジン故にクラウドサービスとOSSベースのローカル環境との間に高いポータビリティを確保。さらに、多言語対応が可能な設計(公開時は日本語・英語対応)となっている。
なおCOTOBA Agent OSSは、IoTからのセンサー/画像情報や外部APIとの連携も可能な、産業用で初のオープンソース対話エンジンとして提供しており、MITライセンスであるため広く商用利用が可能。
- 外部API-I/FでIoTからのセンサー情報に応じた対話を実現できるため、産業応用が容易
- シナリオが自由に書けて意図解釈モデルもカスタマイズ可能
- 開発者用デバッグツールや管理者用ダッシュボードなどの開発者向け支援機能が充実
- 実用的なサービスの実現に必須のセキュリティやスケーラビリティも備える
- 複数言語対応に設計されており、サービス開始時は日本語と英語で利用可能
- 5000項目以上の試験を実施し、大規模テストによって高い信頼性を実現。研究だけでなく大規模商用利用を前提としたソフトウェアを提供
- OSSと共通のエンジンで、OSSベースの環境との間でAIMLコードや意図解釈コーパスに互換性あり
コトバデザインは、「インターフェースの民主化を実現し、デジタルデバイドを終わらせ、弱者を取り残さない」という世界の実現を目指して、COTOBA AgentとCOTOBA Agent OSSの普及を通じて対話エージェント開発のコミュニティ形成を促進。対話エージェント開発・運用・流通のエコシステム形成に貢献することで、その先の対話AIのコンテンツ化と流通メカニズムの実現へと歩を進めていくとしている。
カテゴリー:人工知能・AI
タグ:コトバデザイン、IoT、オープンソース、資金調達、日本
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/10/02/cotoba/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Takashi Higa
Amazonベストセラー
Now loading...