コロナ禍を原動力にビデオ教育プラットフォームのKajabiが年間経常収益約63億円を達成

Kajabi(カジャビ)は米国ではおなじみの名前ではないかもしれないが、すでに多くの家庭でウェブホスティングとビデオ技術プラットフォームを利用している。

同社は創業以来黒字を続け、資金調達なしでやってきた。2019年11月にSpectrum Equity Partners(スペクトラム・エクイティ・パートナーズ)からマイノリティ投資を受け入れたが、ユーザーが急増しているKajabiにとっては付け足しにすぎなかった。

「新型コロナウイルスのパンデミックによりユーザーがこれまで以上に増えました。在宅勤務の労働者が仕事以外に何かやろうと思い始め、オンライン教育やトレーニングに参加するようになったようです」と同社は述べた。

BuzzFeed(バズフィード)とParamount Pictures(パラマウントピクチャーズ)でマーケティングエグゼクティブを務めたことがあり、現在はKajabiの最高マーケティング責任者であるOrlando Baeza(オーランド・ベザ)氏によると、過去1年間だけで同社の年間経常収益は8月に6000万ドル(約63億円)を超え、3月には顧客の売上高ベースで節目の10億ドル(約1050億円)を超えている。

同社は昨年11月に、Spectrum Equity Partnersからマイノリティ投資を受け入れた。10年以上前に創業して以来、同社にとって最初の外部資金調達となった。

商品トレーダーだったKenny Rueter(ケニー・ルーター)氏が設立したKajabiはThinkificやPatreonのような企業で、主にオンライン学習やビデオベースで活動する起業家向けのコンテンツを扱う。

「Kajabiではコンテンツを売れるだけではありません」とKajabiの社長であるJonathan Cronstedt(ジョナサン・クロンシュテット)氏はいう。「ウェブページ、ブログ、電子メールマーケティング、マーケティング・オートメーション、デジタル配信ができます。ウェビナーや見込み客のリストを作成するために必要なマーケティングも可能です。オンラインビジネスを行うために必要な一から十までを揃えるプラットフォームなのです」。

ゴールドラッシュで金を稼ぐ一番の方法がつるはしとシャベルを売ることだとするなら、Kajabiはセルフヘルプ、スタートアップガイド、貴重なアドバイスのセット、つまり現代のつるはしとシャベルを提供していると考えられる。

同社はセルフヘルプのレジェンドとしてBrendon Burchard(ブレンドン・バーチャード)氏、Danielle Leslie(ダニエル・レスリー)氏、Amy Porterfield(エイミー・ポーターフィールド)氏、最近では2020年8月にプラットフォームに加わったSophia Amoruso(ソフィア・アモルーソ)氏などが利用可能だと宣伝している。

「当社はビジネスに真剣に取り組む起業家、専門家、インフルエンサーのオンラインでの成功に力を貸したいと考えています」とクロンシュテット氏は11月、Spectrum Equityからマイノリティ投資を受けたときに筆者に語っている。

基本的に同社のツールキットは、企業が軌道に乗るのに必要なさまざまなソフトウェアが統合されてバンドルで機能する。Shopify(ショッピファイ)やWix(ウィックス)などのプラットフォームを統合してフルスタックのツールを用意する代わりを、Kajabiは企業のために行ってくれる。

「ダクトテープとワイヤーを使って、こうしたすべてのソリューションをまとめる方法は無限にあります」とクロンシュテット氏は語る。「企業はプラットフォームインテグレーターになろうと忙しすぎて、結局実現できていません。彼らは何も創り出せていないのです」。

100人以上の従業員を抱える同社はパンデミックが原動力となった軌道に乗っており、大規模な成長に向けた準備が整ったと言える。

実際、オンライン学習は現在2200億ドル(約23兆円)の世界市場であり、セルフヘルプ市場だけでも110億ドル(約1兆1600億円)だ(人々は多くの助けを必要としている)。同社はまた統計を引用して、副業を考えている米国人の割合は約35%、米国の労働市場に存在する「ソロプレナー(1人で事業を営む人)」は推定4000万人だとしている。

「創業以来、4100万人のユーザーに優れた教育コンテンツへのアクセスを提供し、顧客は10億ドル(約1050億円)を超える売上を生み出しました」とルーター氏は11月の声明で述べている。「当社は専門知識を世界に向けて共有する素晴らしい起業家と提携できること、そしてさらに多くの人々を支援できることを幸せを感じています」。

関連記事:リモートワークは「自宅監禁」から柔軟性のある「どこでも勤務」に変わっていくべき

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Kajabi新型コロナウイルスオンライン学習

画像クレジット:emrVectors / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi


Amazonベストセラー

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA