【アウトドア銘品図鑑】
サンドイッチを2枚のプレートで挟んで焼くホットサンドメーカーは、キャンプで人気の調理道具です。きつね色のパンはバターがじゅわっとしみこんでいて、パンの耳はカリッ。ホカホカ・アツアツの具をしっかり包み込んでくれるので大人も子どももテンションが上がりますよね。
ホットサンドメーカーは真ん中に仕切りがあるもの、フチをつけられるもの、2枚に分離できるもの、そして素材も鉄、アルミ、フッ素加工、ハンドルの長さやたたみ方などそれはもう多種多様。当然ですが、それぞれにメリット、デメリットがあります。
▼構造
[プレート分離可能]
○ 2枚のミニフライパンとして使える
× トーストの途中で開けてうっかり分離してしまうと面倒
[プレート一体型]
○ 調理中にバラバラにならない
× 洗う時がちょっと面倒
▼仕切り
[あり]
○ できあがり後に2つに切っても具が飛び出さず、手で持って食べられる
× 大きめの具は半分でちぎれちゃう
[なし]
○ 具をたっぷり入れられるし、ふんわり焼き上がる
× 半分に切るとカレーなどの具が流れ出ることも
▼フチ
[あり]
○ フチまでサクサク焼き上がる
× デザインによるがフチに汚れがたまりやすい
[なし]
○ ふんわり
× フチがプレスされないと具がこぼれ落ちる
▼素材
[鉄製]
○ 焚き火でも安心、じっくり火が通る
× 重い
[アルミ製品]
○ 軽くて扱いやすい
× 薄いアルミ製の場合は高火力に弱い
▼加工
[フッ素加工、シリコン加工など]
○ 焦げ付くことなく後片付けが簡単
× 具のない状態で火にかけると加工が取れやすい
[イラストやストライプの焼き目あり]
○ 見た目がかっこいい
× 洗い物がちょっと面倒くさい
どれも一長一短なので好みで選べばいいわけですが、抜群の知名度を誇るのが、日本にホットサンドを紹介した「バウルー」。迷ったときには「バウルー」を選べば間違いありません。
イタリア商事のWEBサイトによると、もともとはブラジルのバウルー出身の青年が、栄養バランスのいい食べ物としてホットサンドを考案したそうで、このブラジル風ホットサンド(料理名)、そしてこれを作る道具がバウルーと呼ばれるようになったそうです。
日本で広まったのは1970年代。ご本家のバウルーを忠実に再現した「バウルー」は、1996年より内側がフッ素樹脂加工となっているものの、基本は今も変わりません。
仕切りあり「サンドイッチトースター・ダブル」(4950円)、仕切りなし「サンドイッチトースター・シングル」(4950円)で、サイズはどちらも14.2×35×H3.7cm。どちらも日本の一般的なサイズの食パンなら耳を切らずにすっぽり収まります。
プレート部はアルミダイキャスト製で重量はダブルが420g、シングルが450g。ハンドル部分はフェノール樹脂で、まあまあ熱にも強くなっています。
■弱火でじっくり加熱する
ホットサンドメーカーの使い方はどれも同じ。2枚のパンと具を挟んで焼くだけです。バウルー「サンドイッチトースター・ダブル」でその使い方をおさらいしましょう。
食バンを置いて、その上に好きな具を載せます。パンの表側に薄くバターを塗るか、プレートに薄くオイルを引いておくとサクッと焼き上がります。もちろん、オイル類なしでヘルシーに焼き上げてもおいしいですよ。
ちなみに、仕切りありの「サンドイッチトースター・ダブル」にメンチカツを載せましたが、大きくても柔らかい具であれば、きれいに割れて圧着されていました。
上に食パンを置いて、パンがズレないように手で押さえながらふたをします。
具は好きなものでいいのですが、加熱しきれない肉や魚などの生ものを挟むのは避けましょう。
焚き火でもバーナーでも、弱火でじっくり焼きます。片面3分程度が目安。
■ソロキャンプでも使えるか食パン1枚で試してみた
食パン2枚で挟むホットサンドだから、ソロキャンプではボリュームありすぎ。かといってパンを半分に切って片側のみ載せて加熱すると、食材が載っていない部分は空焼きになってしまい、せっかくの加工がはがれやすくなります。食パン1枚用のホットサンドメーカーが話題ですが、バウルーでも対応できないか試してみました。
食パンと具をのせたら、このままふたをして加熱。食パン1枚であれば具にしっかり火が通るので生ものでも大丈夫です。
具から加熱して、パンも具も表面がカリッと焼き上がれば完成。エビのすり身を塗りつけたところ、エビパン風になりました。揚げていないのでヘルシー。
溶き卵とみじん切りにした野菜をプレートに流し入れ、その上にパンを載せて焼きました。トロトロの半熟卵サンドにするには練習が必要ですが、できなくはなさそう。
定番のハム&チーズはハムが外側になるようセットするなど、工夫次第で食パン1枚でもなんとかなりますよ。
■両面焼けるからピザ、グラタンも!
キャンプでのオーブン料理をしようと思うとダッチオーブンや直火式オーブンが必要ですが、ソロキャンプではちょっと大げさ。ホットサンドメーカーは2枚のプレートが密着する上、両面からしっかり加熱できるのでオーブン料理っぽいこともできます。
薄切りにしたニンジンを敷きつめ、その上にマッシュポテトとコンビーフ、チーズをのせて弱火で加熱すれば、グラタンっぽくなります。
市販のピザだって焼けますよ。
オーブン料理ではありませんが、粉チーズと塩、コショウ(あれば片栗粉も)をまぶした細切りジャガイモを敷き詰めて焼くと、揚げないハッシュドポテトに。
ほかにもチーズを溶かしてラクレットっぽくしたり、炒め物をしたり。煮込みは難しいですが、フライパンでできることは大抵できます。
* * *
バウルーの場合、両プレート一体型なので炒め物などでは逆のプレートが邪魔になることも。
道具が増えると準備も後片付けも大変なので、フライパンとしてもバウルーを使いたいキャンパーは、接続部のピンを少し削って抜き、ボルトとナットに付け替えるという改造がキャンパーの間で定番化しています。
特殊な工具は不要なので、やってみる価値はありそうです。
ホットサンドメーカーがあれば、ボリューム満点の朝食やランチはお手の物。それに焚き火を眺めながら過ごすキャンプの夜、小腹が減ったら焚き火にホットサンドメーカーをかざしてパパッとつまみを作れます。
唯一、できあがりの見た目はほとんど変わらず写真映えしないのが難点と言えば難点。ですが、ソロキャンプでもファミリーキャンプでも食生活が充実するので、ひとつは手に入れておきたい道具で間違いありません。
>> イタリア商事
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/332622/
- Source:&GP
- Author:&GP
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