【特集】G-SHOCK進化のカギを握る男たち
誕生35周年を記念して登場した限定モデルや、初代のフルメタル版などの発売、豪華なゲストを迎えて世界や日本で開催された数々の記念イベントを経て、世界最強時計「G-SHOCK」は2018年でひとつの区切りを迎え、新たな歴史が始まった。新世代G -SHOCKの開発は、どのような考えで行われているのか? モデル開発を統轄・指揮するプロデューサーの齊藤慎司さんに聞いた。
■G-SHOCKは、“世界でいちばん自由な腕時計”なんです
「私たちは今、3年後の誕生40周年を祝うべく、これまでにない新しいモデルの開発を全力で進めています」
G–SHOCKの未来について語ってくれたのは、現在カシオの全時計ブランドの開発を指揮する齊藤慎司さん。
「新作の開発で重視しているのは“守りと攻めの両立”。守りとは、過去のDNAを継承すること。そして攻めとは、最新技術を開発・導入すること。G–SHOCKは進化する腕時計です。“何も変わらない”ことは許されません」
その好例が初代モデルをフルメタル化した「GMW–5000」だと齊藤さんは語る。
「初代のDNAは守りつつ、機能は大きく進化させました」
開発現場でキーワードになっているのが「C・M・F」。カラー(色)、マテリアル(素材)、フィニッシュ(表面加工)の要素だ。この3つの方向からアプローチすることで、これまでにない斬新なモデルが続々と誕生している。
「初代のフルメタル版では、素材の持つ力を改めて実感しました」と齊藤さんは言う。
2019年に話題になった「MTG–B1000」の限定モデルも、レインボーIPという新しい表面加工技術から新たな魅力が生まれた好例。
▲「他の時計ブランドの開発も担当して、G-SHOCKの自由さを改めて実感しました。その可能性は無限大です」(齊藤さん)
「普通の腕時計の開発には、どうしても細かな制約がつきまといます。でもG–SHOCKの場合は、唯一無二のDNA“アブソルート タフネス”さえ守れば、どんなモデルを作ってもいい。つまり、G–SHOCKは世界でいちばん自由な腕時計なのです。 40周年に向かって、これまでにない、皆さんを驚かせる新作が続々と登場する予定です」
その進化・発展が楽しみだ。
カシオ計算機開発本部 開発推進統轄部 プロデュース部
第一企画室室長 プロデューサー・齊藤慎司
2007年から2018年まで11年間、G-SHOCKの開発に従事した後、2019年から室長としてEDIFICE(エディフィス)など他の腕時計ブランドのモデル開発に関わる。この7月からはG-SHOCKを含む全モデルの企画開発を指揮する。
【COLOR(カラー)】
ケースや文字板などパーツの色を変える。それだけで、まったく違うテイスト、魅力を持つ腕時計が生まれる。
【MATERIAL(素材)】
カーボンファイバーなど、これまでとは違う新素材をパーツに導入するだけで、見た目も機能も劇的に進化する。
【FINISH(表面加工)】
見た目や質感を一変させる表面加工。その進化は日進月歩。中でもレーザー彫刻加工は最も注目したい技術だ。
※2020年10月6日発売「GoodsPress」11月号掲載記事をもとに構成しています
<取材・文・写真/渋谷ヤスヒト 写真/三田村優 協力/カシオ計算機>
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- Original:https://www.goodspress.jp/columns/333267/
- Source:&GP
- Author:&GP
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