ソフトなセンサーは、繰り返し使用することで材料特性が変化し、正確な読み取り値が得られなくなる可能性があるという。こうした課題を受けて、シンガポール国立大学(NUS)の研究者チームは、感度が低下しにくいセンサー材料を開発した。
同技術を用いたウェアラブルセンサーにより、健康状態やロボットのリアルタイムモニタリングを高い信頼性でこなせるようになりそうだ。
従来の5倍のセンサー性能
研究チームは、「ポリジメチルシロキサン」と呼ばれるソフトな材料上で、金属の薄膜に望み通りのパターンに裂け目を作るプロセスを開発。繰り返し利用することでの影響がほとんどないセンサー材料が誕生した。
機械による繰り返し試験により、精度および信頼性の向上を確認したところ、「触覚抵抗膜環状亀裂Eスキン(TRACE)」と呼ばれる同センサー材料は、従来の材料の5倍のセンサー性能だったとのこと。
TRACEを組み込んだセンサーは、ロボティクスでの表面の質感の認識や、医療用のウェアラブルデバイスでのより高感度なセンシングを実現する可能性がある。
機械学習アルゴリズムとの組み合わせも
TRACEセンサーは心拍が正確にキャプチャできるようで、ヒトの皮膚に装着できるスマートパッチとしてにして用る計画もある。
また、表面の質感の予測をより正確に行うために、機械学習アルゴリズムとの組み合わせも検討しているとのこと。
研究チームは、さまざまなウェアラブルアプリケーションに応じて材料の適合性を改善。センシング対象に応じたAIアプリケーションも開発していく意向だ。
- Original:https://techable.jp/archives/141179
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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