スクエア型セラミックケースに秘められたRADOの新コンセプト

端正なマットブラックのケースの中で、規則正しく歩みを進める2本のアナログ針。しかしフェイスに浮かんで見えるのは、デジタル時刻表示でおなじみの7セグメントディスプレイの光。一瞬、「これってデジタル…いや、やっぱりアナログ?」と不思議な感覚に陥ったあなたは、洒脱な遊び心が仕掛けた罠にすでに引っかかってしまっているかもしれません。

アーティスティックなデザインに思わず心を奪われるこちらは、スイス伝統の時計ブランド・RADO(ラドー)の新作「True Square Undigital Automatic(ラドー トゥルー スクエア アンデジタル オートマティック)」(26万4000円)です。

「True Square Undigital Automatic」は、RADOの代名詞ともいうべきセラミック製スクエアケースに、最大80時間のパワーリザーブを備えた2針自動巻ムーブメント ETA C07を搭載した、文字通り “アンデジタル” な腕時計。見る人を思わずニヤリとさせるユニークなデザインを手がけたのは、2011年設立、東京を拠点にインテリアや家具を手がける気鋭のデザインデュオ・YOY(ヨイ)のふたりです。

伝統的な自動巻腕時計と、スクエアケースや7セグメントディスプレイなど1980年代を代表する要素の組み合わせ。いかにも意表を突いたデザインですが、その根底にあるのは “あらゆるものがデジタル化される今の時代において、逆にデジタルな要素をアナログな世界に持ってくることで新たな表現を見つけられるのではないか” という、現代を生きるデザイナーならではのアイデアです。

アイデアの具現化にあたっては、最先端のハイテクセラミックスやスーパールミノバ加工など、現代ならではの素材や技術も効果的に使用。薄さや軽さ、視認性など、時計としての実用性に対しても十二分に配慮を行き届かせた、シンプルながらもクリエイティビティにあふれた1本です。

>> RADO

<文/&GP>

 

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