見た目も美しいスマホのUI
光りが当たると影が付くアイコン
Smartisanが発表したJianGuo R2は、チップセットにSnapdragon 865を採用する高性能なスマホだ。6.67インチ2340x1080ピクセルの大型ディスプレイを搭載し、カメラは1億800万画素をふくむ4つを搭載。価格は最小構成のRAM8GB+ROM128GBで4999元(約7万8000円)から、最大構成のRAM16GB+ROM512GBで6499元(約10万1000円)。中国国内ではやや割高な印象を受けるものの、グローバルで販売されている大手メーカーの同スペック製品と比べれば安い。中国メーカーのスマホはこのように「ハイエンドでも価格は割安」なのが特徴だが、JianGuo R2の注目すべき手はそこではない。
まずはアプリ一覧画面を見てみよう。そこには本物のカレンダーやレコードプレーヤを模したアイコンが並んでいる。これがSmartisanのスマホのユーザーインターフェースの特徴の一つだ。
最近のスマホはアプリの特徴を簡素化し少ない色数でアイコンを表すものが多く、iPhoneでもAndroidスマホでも似たようなデザインのアプリアイコンが並ぶ。これはこれで直感的で美しいといわれているが、最近になってグーグルやフェイスブックが一部のアイコンを変更し、色数を増やして表現しはじめた。しかしかえって見にくくなったという声がよく聞かれる。アプリを提供する側が本来の直感的なデザインでは飽き足らず、余計なことをしてしまったということだ。
それに対してSmartisanのユーザーインターフェースはそのまま見れば誰もがわかるアイコンが表示されている。このあたりはアップルやグーグルの考えとは真っ向から反しているといえる。しかしSmartisanのほうがスマホの見た目もおもちゃっぽくなく、むしろ高級感を味わえないだろうか?
そしてアプリの並んでいる画面を見てみると、時間が経つにつれその表情が変化することに気が付く。JianGuo R2は光を感知して、アプリアイコンに影をつけるのだ。つまり、光の当たる方向に対して、アプリアイコンはその反対側に影をつけるのである。これによりアイコンが浮き上がっているようにも見える。この効果は操作性には無関係かもしれないが、実物を小さくしたアプリアイコンが本当のミニチュア模型として画面の上に置かれているように感じられないだろうか?それはスマホを毎日使う上で快適な感覚を与えてくれるはずだ。
ドッキングステーションでPCになる
スマホとは思えぬ操作性を実現
Snapdragon 865を搭載したスマホのパワーはもはやPCと変わらないレベルに達している。マシンパワーを必要とする動画の編集アプリも、Snapdragon 865搭載スマホを使えば一般的なビジネスPCと変わらなぬ動きで作業できる。オフィスアプリの使い勝手も、ハイエンドスマホは十分PCの代替となりうるのだ。
しかし、スマホをPC代わりに使おうとすると、狭い画面と長文入力に不向きなソフトウェアキーボードを使わなくてはならない。外付けディスプレイやキーボードを接続すればPCのように使うこともできるが、それを持ち運ぶのも面倒だ。結局ビジネスパーソンは高性能なスマホをポケットに入れながら、ノートPCも持ち運ばなくてはならない。
JianGuo R2は簡単にスマホをPC化できるドッキングステーションを用意している。ディスプレイとそれにマグネットでワンタッチ接続できるドッキングステーション「TNT go」は、マイクロソフトの2in1 PCである「Surface」にそっくりだ。このTNT goはただの外付けディスプレイとキーボードであり、単体では使えない。JianGuo R2を接続すると、スマホの画面をTNT goの大きいディスプレイに表示できるのだ。
TNT goは12インチ2160x1440ピクセルのディスプレイ、10160mAhのバッテリーを搭載する。ノートPCではないので1日以上の長時間駆動が可能だろう。ステレオスピーカーもあるので音楽や動画再生もより臨場感を味わえる。
TNT goには有線接続版と無線接続版の2つがある。移動中はあまりノートPCを使わず、常にオフィスやカフェなどしっかりした作業場所がある場合はJianGuo R2をケーブルで接続できる有線版でもいいだろう。価格は1999元(約3万1000円)だ。一方無線版はJianGuo R2をカバンやポケットの中に入れたまま、TNT goを使うことができる。その使っている姿を見れば、Surfaceを使っていると勘違いする人もいるだろう。無線版は2999元(約4万6000円)だ。
そしてTNT goにはJianGuo R2のスマホの画面がそのまま表示されるのではなく、専用のデスクトップ画面が表示される。複数のアプリの同時起動やウィンドウサイズの変更など、まるでPCのように操作できるのだ。もちろんこれらのアプリはスマホ本体のJianGuo R2にインストールされているものが表示あsれているのだ。スマホで作業しながら、必要な時だけTNT goに接続して大型ディスプレイとキーボードを使った快適操作ができるのである。
エンタメの道具なんてもったいない
スマホはクリエイティブツールになる
JianGuo R2のように外部ディスプレイに接続すると、専用デスクトップ画面が現れるスマホはサムスンやファーウェイがすでに販売している。日本で販売されている両者のハイエンドスマホなら、余っているディスプレイにつないでみればPCのような画面が現れる。スマホのPC化はすでに大手メーカーが実現しているのだ。しかしディスプレイやキーボードを別途自分で用意するのは面倒だろう。
そこでデスクトップモードを持つスマホをノートPCのようにしてしまう製品も現れた。例えば日本ではHTL株式会社が代理店として販売する「Mirabook」は、TNT goのようにディスプレイとキーボードを備えたノートPC型のドッキングステーションだ。スマホの性能がPCレベルまで上がったことで、このような製品が十分使い物になる時代になったのだ。
ここ最近のスマホの進化はカメラ性能やゲーミング対応など、エンタメ用途と言える方向に進んでいる。しかしパワフルなスマホをカメラやゲーム機として使うだけなんてもったいない。そろそろスマホをPC代わりに使ってみるのもいいのではないだろうか。TNT goやMirabookのようなアイディアを持った製品がこれから増えることを期待したい。
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000131330/
- Source:デジモノステーション
- Author:山根康宏
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