タイトシルエットなのに暖かい!アウトドアブランドの高機能中綿アウター5選

【2020FW アウトドアブランドの最新アウター④】

冬用アウターの商品説明で頻繁に目にする「insulation(インサレーション)」という言葉。「ダウン」とごっちゃになりがちですが、この2つ、実は違うアイテムになります。

「インサレーション」を日本語に直訳すると「断熱、断熱材」という意味で、ファッション的には“化繊の中綿”を使ったアイテムのことを指します。一般的に「インサレーション」はダウンとは違い、「水や湿気に強いけど暖かさはダウンに劣り重い」と思われていました。

ところが近年では技術が進歩し、従来の「インサレーション」の弱点を克服したアウターが増えてきているんです。

今回はそんな高機能な「中綿アウター」を5つ紹介します。

 

■進化し続けるパタゴニアの定番アウター

パタゴニア
「メンズ・ナノ・パフ・ジャケット」(2万5300円)

Patagonia(パタゴニア)を代表するアイテムである「ナノパフ」シリーズは、機能性に優れ環境に配慮した、進化し続ける化繊インサレーションの定番です。

防風性と耐水性に加え保温性にも優れたジャケットで、表地と裏地には軽さと撥水性を兼ね備えた“リサイクル・ポリエステル100%素材”、中綿には水に濡れても98%の保温性を保つ“60グラム・プリマロフト・ゴールド・インサレーション・エコ”を使用しています。

その素材自体がリサイクル・ポリエステル100%に加え、プリマロフト社によるP.U.R.E(Produced Using Reduced Emissions)テクノロジーを導入することで、中綿の製造過程で出る二酸化炭素排出量をこれまでの52%も削減しています。

スタンドカラーなのでアウターとしてもミッドレイヤーとしても着用できる使い勝手の良さも魅力です。

軽量でコンパクトになるポケッタブル仕様。サイドにはファスナー式のハンドウォーマーポケットを配置。本体をしまえる内側のチェストポケットには補強済みカラビナ用ループが付属し、登山やキャンプから日々の生活まで携帯しやすい仕様になっています。カラーはクレーターブルー、ブラック、クラシックネイビー、コリアンダーブラウン、バックウィートゴールド、インクブラック、パープルの7色展開。

>> パタゴニア

 

■最先端の技術と無駄を削ぎ落としたデザイン

アークテリクス
「ラッドステン パーカ メンズ」(7万4800円)

今でこそ有名なGORE-TEX(ゴアテックス)の生地。これを1998年に、それまで衣類を作ったことのなかったゴアテックス社と提携し使用した、アウトドア業界でも革新性の高いカナダのArc'teryx(アークテリクス)。今では本格的な登山から、ストリート、ビジネスなどアウトドアという枠を超えて幅広いジャンルを手掛け、最近のアーバンアウトドアを牽引するブランドのひとつです。

この「ラッドステン パーカ メンズ」は、風通しが良く保温性の高い“コアロフトコンパクト120 インサレーション”と、透湿防水に優れた"NP100dナイロン/ポリエステル混紡の2L ゴアテックス”を組み合わせた、保温力が高く濡れに強いロングパーカです。アークテリクスらしい徹底的に無駄が省かれた最先端を感じるワクワクするデザインに仕上がっています。

調節可能なインサレーテッドフードが付き、表地はやわらかなヘザー調(杢調)で柔らかな肌触りを実現。アウトドアでのテクニカルな機能性と快適さ、丈夫さを備えながら都会仕様にスタイルアップされた1着です。

>> アークテリクス

 

■アウトドドア機能を搭載したアーバンな中綿パーカー

カリマー
「インディ フーディー」(2万2000円)

ファッションブランドとのコラボなど、ファッション性の高さでも注目を集めるkarrimor(カリマー)。本格的なアウトドアからトラベルやタウンユースまで幅広いラインナップが魅力のブランドです。

こちらは、使用済みのペットボトルなどを原料として作られたリサイクル粒中綿“REPREVE”を封入したプルオーバーパーカ。メインファブリックを織りでチューブ状にしているため、中で綿が偏るのを軽減し、全体的に満遍なく保温効果をもたらしてくれます。張りのあるダブルニットはフードの立ちもよく、スポーティな印象に。異素材の組み合わせは、1枚取り入れるだけで流行りのアーバンアウトドアスタイルに仕上げてくれます。

全体的にストレッチ性が高く、動きに追従し日常生活でもストレスなし。両サイドのファスナーポケットは縫い目に沿って付けられていることで、ミニマルなデザインに。カラーはホワイト/アッシュ、グレー、ブラックの3色展開です。

>> カリマー

 

■厚手なのに超軽い!そして暖かい!

ピークパフォーマンス
「アルゴン フード ジャケット」(3万9600円)

1986年、スウェーデンの山村でスキーヤー3人によって「どんな過酷なシチュエーションにも耐える機能と美しいデザイン、この両方を併せ持つスキーウエア」を作るべく誕生したPeakPerformance(ピークパフォーマンス)。「最高のパフォーマンスを発揮する」スキーウエアだけでなく、今では極上のライフスタイルを追求する人々に愛されるプレミアムなアウトドアブランドとして幅広いジャンルの製品を作っています。

この「アルゴン フード ジャケット」はアルゴンシリーズの中で最も多く化繊を封入している厚手のタイプ。独特な形状のボックスは圧着ではなく表生地と裏生地の二重織りによって形作られ、防風性、保温性が大きく向上しています。

表生地、裏生地、そして中綿素材“Thermore”はすべて100%リサイクル素材を使用。 ブランドのコンセプトである環境に配慮した物作りを体現しているジャケットです。360gとアウターを着用している感覚がないほど軽量です。カラーはブラック、オレンジ、ブルー、グリーンの4色展開

>> ピークパフォーマンス

 

■超電導素材も使われた超高機能中綿

ホグロフス
「Vシリーズ ミミック フード」(5万4450円)

今から100年以上前になる1914年にスウェーデンで誕生したHaglöfs(ホグロフス)。長い歴史で培われてきた技術力をもとに、アウトドア専門家たちのフィードバックを得ながら作られるハイパフォーマンスなアイテムを数多くラインナップしています。また、北欧らしい洗練されたデザインと独特の色使いは、アウトドアはもちろんライフスタイルウエアとしても人気です。

この「Vシリーズ ミミック フード」は表地に耐久性が高い“Pertex”の超軽量7デニールフェイス生地を使用。裏地には“GORE-TEX INFINIUM”が使われ、湿度は逃がしつつ汗濡れには強く、さらに360g(Lサイズ)と軽さも抜群。中綿には"Mimic Platinum"が使われ、すばやく暖まり保温してくれる、最新テクノロジーが詰まったジャケットです。

ホグロフス オリジナルのボール状化繊 "Mimic" に比べ35%もの優れた保温性を備える超電導素材グラフェンを含んだ“Mimic Platinum"は、濡れた状態でもフィルパワーを保ち、保温性を維持してくれます。カラーはブラックのみ。

>> ホグロフス

 

>>【特集】2020FW アウトドアブランドの最新アウター

<取材・文/宇田川雄一 写真/野町修平(APT)>

宇田川雄一|スタイリスト。大学卒業後、アシスタントを経て2008年フリーに。モノ誌やWeb媒体を中心に、広告、PVなど幅広く活動。メンズのビジネススタイルを得意とし、雑貨、インテリアなどライフスタイル全般にわたってスタイリングしてきた経験を生かし、執筆も行っている。

 

 

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