【2020FW アウトドアブランドの最新アウター⑤】
羽毛(ダウンフェザー)を封入したダウンウエアを選ぶ際、よく目にするFP(フィルパワー)。これは、ダウン1oz(オンス)のかさ高さを表す数値です。例えば700FPの場合、1oz(約28g)の羽毛が700立方インチに膨らんでいることになります。なので、数値が多くなるほどそのダウンは空気を多く含んでおり、断熱効果も高いということになります。
一般的には550FPあれば良質のダウンという認識ですが、アウトドアブランドのダウンになってくると700FPや800FPを超える高品質なものが多くなってきます。
またダウンの総量によっても暖かさは変わってきますし、一概に数値が高い方が暖かいというわけではないのですが、ダウンジャケットを選ぶ際の目安として覚えておくと便利な単位です。
FPが高いと、少量でも暖かさを保証してくれるとともに、軽さにも貢献してくれます。その結果、パッカブル仕様になりやすかったり、携帯しやすかったりとメリットがあります。
そんな、軽くて暖かくて携帯性に優れたライトダウンアウターを5つ紹介します。
■人気寝袋で使われている素材をジャケットに
ナンガ
「オーロラライトダウンジャケット」(6万8000円)
メイン素材に寝袋でも人気のNANGAオリジナル素材"オーロラテックス ライト"を採用。ナンガの防水透湿生地の中でも特に高スペックな素材です。そして中綿には高品質羽毛“SPDX(ポーリッシュグースダウン)”を封入し、軽さと着心地と抜群の保温力を実現。
フードは立体的な構造になっていて、ジャケット全体を畳んでフードに入れて、コンパクトに持ち運べる仕様。このボリュームのジャケットがフードに収まるのはちょっと信じ難い話ですが、それも最高峰ダウンだからこそ実現したもの。また本格的で洗練されたデザインは街の中でも抜群の存在感を放ち、シンプルなスタイルのアクセントになってくれます。
ポケットは止水ファスナー仕様で雨風に強く、ショルダー部分は生地を二重にすることで摩擦に対する耐久性を上げています。バックパックが流行りの今、このこだわりはとてもありがたい! 重さ約634g、860FP、カラーはブラック、コヨーテ、カーキ、ダークネイビーの4色展開です。
>> ナンガ
■光電子×ダウンで遠赤外線効果!
ザ・ノース・フェイス
「ライトヒートジャケット(メンズ)」(3万800円)
重さわずか194g(Sサイズ)と空気を羽織るような着用感の軽量インナーダウンジャケット。高品質ダウンをベースに、体温を輻射し遠赤外線効果で保温性を高める
“光電子”をミックス。ダウン本来が持っている保温効果をより高めることで、薄く軽く暖かいを実現しています。
両サイドにはファスナー付きのポケット、内側にもファスナー付きポケットが付いていて、単体使いとしても十分な収納力あり。また、内側のポケットに丸めてジャケット全体を入れられるポケッタブル仕様なので、寒くなった時の防寒着としてバッグに入れておける1着です。
表地には美しい光沢感に加え軽さと強度、撥水性を併せ持つエコ素材“PERTEX Quantum ECO(パーテックス カンタム エコ)”を採用。静電気の発生を抑える静電ケア設計が施されているため、冬場の地味に痛い思いから解放してくれます。カラーはブラック、ニュートープ、サミットゴールドの3色展開。
>> ザ・ノース・フェイス
■驚異の1000FP!画期的で究極な軽量ダウンパーカ
モンベル
「イグニスダウン パーカ Men's」(3万6300円)
究極の1着とも呼ばれる「イグニスダウン パーカ」は、モンベルが誇る世界最高品質の“1000FPの“EXダウン”を、高い防風性と優れた防水透湿性を備えた“ゴアテックス インフィニアム ウインドストッパー ファブリクス”で包み込んだ軽量モデルです。
厳冬期の冷え込みが厳しく、寒暖差の激しい自然環境で育てられた水鳥から採取されるダウンのみを使用する“EXダウン”は、熱の動きを遮断するデッドエアを多く蓄え、わずかな綿量でも高い保温力を発揮。軽量かつコンパクトな、ウエアに最適な素材です。
また、機能性とデザインを両立させた独自のキルティングパターンは、コールドスポットの原因となる縫い目を45%も減少。保温効率をUPしながらも軽量化を実現するなど、モンベルの技術が詰まった「軽く」「薄く」「暖かい」究極のダウンパーカになっています。
内側には両サイドにマップポケットを配置。付属のスタッフバッグに収納するパッカブル仕様で携帯性も◎。1枚持っているだけでアウトドアシーンにつきものの寒さへの不安が解消されるます。平均重量278g、1000FP、カラーはブラック、フラッシュグリーン、インディゴ、レッドブリックの4色展開です。
>> モンベル
■ストレッチ性と暖かさが魅力!
ミレー
「ティフォン 50000 2L ストレッチ ダウン」(6万3800円)
1930年代に初のショルダーストラップ付きのバッグを開発したフランスの総合アウトドアブランド、MILLET(ミレー)。 数年後にはバックパックへと進化させ、一躍有名になりました。その後、積極的な山岳向けのテクニカルな製品開発によってアウトドアブランドとしてのイメージは確固たるものに。代表作の「シェルパ」はザックの名作として有名です。
この「ティフォン 50000 2L ストレッチ ダウン」は、優れた防水透湿・ストレッチ性を備えたミレーオリジナル“ドライエッジ ティフォン 50000 ”の2層生地と、軽量なのに驚くほどの断熱性を備える“750FPグースダウン”を組み合わせた、高機能防水透湿のストレッチダウンジャケットです。
付属のスタッフバッグにパッカブルも可能で、左胸にチェストファスナーポケット、右胸にはインナーポケットも装備。ハンドウォーマー仕様のサイドファスナーポケットなどポケット類は豊富で、寒い日には毎日着たくなる利便性も備えたアウターです。重さ564g、750FP、カラーはブラック、サフィール、ハニーマスタードの3色展開。
>> ミレー
■タフ使用を想定しバランスを考えたFP
アウトドアリサーチ
「トランセンデントダウンフーディ 」(2万8600円)
名作「Xゲイター」をはじめ数々の機能的なアイテムを生み出し続けるアメリカを代表するアウトドアギアブランド、OUTDOOR RESEARCH(アウトドアリサーチ)。
今回紹介するアウターは中綿に“650フィルパワー レスポンシビリィ ソースドグースダウン”を使用したダウンジャケットです。650FPという数値は一見低く感じてしまいますが、数値が高すぎるダウンは潰れやすいという欠点も。そこでハードユースを想定するブランドとして選択したのが、バランスの良い650FP。
また、アウトドアリサーチには3つのフィットスタイルがあり、このジャケットはある程度のゆとりと、レイヤリングを想定したスタンダードフィットを採用。シンプルなシルエットやデザインは、フィールドからタウンユースまでさまざまなシーンで使いやすい1着です。
表地は軽さ、耐久性、撥水性のある20デニールリップストップ。登山時の濡れたグローブやビーニーを入れて体温で乾かすための大きなポケットも付いています。左ハンドポケットに入れられるポケッタブル仕様で、コンパクトに持ち歩くことが可能です。重さ412g、650FP、カラーはブラックのみ。
>> アウトドアリサーチ
<取材・文/宇田川雄一 写真/野町修平(APT)>
宇田川雄一|スタイリスト。大学卒業後、アシスタントを経て2008年フリーに。モノ誌やWeb媒体を中心に、広告、PVなど幅広く活動。メンズのビジネススタイルを得意とし、雑貨、インテリアなどライフスタイル全般にわたってスタイリングしてきた経験を生かし、執筆も行っている。
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/338618/
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