AOL共同創業者Steve Case氏のRevolutionが第4の成長ファンドとして5億ドルを目指す

米証券取引委員会に新たに提出された書類によると、AOLの共同創設者CEOのSteve Case(スティーブ・ケース)氏とAOLの元上級幹部Ted Leonsis(テッド・レオンシス)氏が設立したワシントンDCを拠点とする投資会社Revolution(レボリューション)が、同社第4のファンドで5億ドル(約520億円)を調達するという。

同社はこの件についてコメントを避けている。ちなみに同社の幹部の1人は、1月にホワイトハウスに入るため同社を退社することになっている。

この新しい資金調達は誰もが予期していたものだ。Revolutionが資本コミットメントにおいて5億2500万ドル(約547億円)を調達した第3の成長ファンドを発表してからすでに4年以上が経過しているからだ。これは約2年ごとに新しい資金を調達する傾向があるベンチャー業界全体では長い期間だが、Revolutionのペースは同社のミッションに繋がっている。同社は主に、かつては「Rise of the Rest(残された者の上昇)」と称されていた生活費などが安い都市に投資して、結果的に小切手がより遠くまで届くという仕組みを用いる傾向にある。

同社は同時に複数のファンドから投資を行っている。最近ではシード投資を行い、2つのRise of the Restのシード資金を調達、そのうちの最新のものは2019年末に1億5000万ドル(約157億円)の資本コミットメントを確保した。

おそらく同社の投資家たちは、Revolutionの最近のイグジットに注目しているのだろう。ボストンに拠点を置く同社のポートフォリオ企業DraftKings(ドラフトキングス)は今年、3社の合併を完了してナスダック市場に上場した。また、オースティンに拠点を置くSaaSスタートアップのBigCommerce(ビッグコマース)は、オンラインストアの構築、管理、マーケティングを支援しているが、従来のIPOを通じて8月初めに上場し、現在の時価総額は42億ドル(約4380億円)となっている(Revolutionは2013年のシリーズCラウンドで資金を提供し、その後のラウンドにも投資を続けた)。

Revolutionによる注目すべき投資先は他にもある。Orchard(オーチャード)はユーザーが持ち家を売ると同時に次の家を買うことを支援する技術プラットフォームで、同社の6900万ドル(約72億円)のシリーズCラウンドは9月にRevolutionによってリードされている。サーマルライナーのメーカーであるTemperPack(テンパーパック)は、昨年夏にシリーズCで3100万ドル(約324億円)を調達。プラスチック廃棄物に対処することを目的としており、Revolutionからの追加資金も含まれている。2013年にRevolutionから最初の支援を受けたカジュアルなレストランチェーンのSweetgreen(スウィートグリーン)は、パンデミックの影響で多少の浮き沈みに耐えてきたが、昨年1億5000万ドル(約157億円)の資金調達を達成した。

私たちは先月、ケース氏と長時間の対話を行い、今日のインターネットの巨人たちの創造に貢献した1996年通信品位法第230条の創設に同氏が関わったことなどについて話を聞いた。

新型コロナウイルスが最終的にシリコンバレーの引率力を失わせるかどうかについても言及している。前回公開されなかったコメントに以下のようなものがある:

まだ結論は出ていません。シリコンバレーを離れて別の場所に避難しようと決めた人の多くも、結局は戻ってくると思います。シリコンバレー、ニューヨーク、そしてボストンに至っても、一部で予想されていたような大規模な人口流出は起こらないと考えます。

一時的に離れることを決めても、会社に残る意思を持つ人は多いと思います。そのほとんどは現在の会社で働き続けるでしょう。その理由の1つは、FacebookやSquareのようなテクノロジー企業を始め多くの企業が、リモートによる仕事を推進していることにあります。しかし、他の場所に住み着き、家族がそこに落ち着きを見出したら、何か別の選択をする人も出てくるでしょうし、そのことが促進剤となってRise of the Restのような都市にも有利に働くでしょう。

また、Zoomを通して取引がなされる中で、従来のベンチャー企業のネットワークフローに参加していなかった女性を始めとする創業者らが取り残されていることを示唆するデータについてもケース氏に話を聞いた。データを見て感慨深げに語っている。

ええ、それは懸念されます。人と場所、両方に変化が必要です。NVCAのデータによると、昨年のベンチャーキャピタルの75%は3つの州に留まりました。90%以上が男性で、女性は10%以下でした。女性が人口の半分を占めているにもかかわらずです。そして昨年、黒人のアメリカ人が人口の約14%を占めながら、黒人の創設者はベンチャーキャピタルの1%未満しか得ていませんでした。こうしたデータだけを見ると、どこに住んでいるのか、肌の色は何色か、どの学校を卒業したのか、ということが重要ということになってしまいます。

パンデミックの影響でZoomミーティングがより一般化してきたことで、多くのベンチャーキャピタリストにとってチャンスが開けるかもしれないと思っていました。遠い場所にいる人々とのミーティングを積極的に行い、従来は投資してこなかった多様なコミュニティにも手が差し伸べられるようになるのだと思っていました。

確かにその機運は見え始めています。沿岸部の投資家の間では、Rise of the Restと呼ばれる都市での投資機会への関心が高まってきています。ただしもっと広い視野で見ると場所の問題よりも人に関する課題が大きく、ベンチャーキャピタリストとの会話でよく耳にするのですが、彼らは「私たちが解決の手助けをしなければならない問題であることは理解しています。こういった起業家の中には本当に価値のある会社を作ろうとしている人もいますから。でも私たちにはネットワークがありません。住んでいる場所、働いていた場所、通っていた学校の地域、そして以前に投資をしたことのある場所を中心に生活がまわっています。内陸部にはネットワークがありませんし、黒人の創業者とのネットワークはありません」などと言うことが多いのが事実です。

そのため私たちは今、ネットワークをいかに広げていくかということに重点を置いています。ほとんどのVCは、自分たちが問題の一部になるのではなく、解決策の一部になるべきだと認識していると信じています。

大統領選を控えての電話会談で、ケース氏はバイデン次期大統領との長年にわたる校友関係について言及した。Revolutionでバイデンと関係があるのは同氏だけではない。Revolutionの取締役副社長を務めるRon Klain(ロン・クレイン)氏は、以前バイデン氏が副大統領だったときに首席補佐官を務めていた人物だが、ホワイトハウスの次期首席補佐官に選ばれ、再び政治に乗り出していることが先週明らかになった。

ケース氏はクレイン氏について先週New York Timesで次のように語っている。「彼は多くの情報を処理し、重要なことに集中し、さまざまな問題において解決に導くことができるでしょう」。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:資金調達

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(翻訳:Dragonfly)


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