シグマのおかげで魅力マシマシの美しすぎる鈍器系デジカメ「Leica T Typ 701」

ライカ、パナソニック、シグマの3社で協業しているLマウントアライアンス。レンズマウントを共通化することで商品の魅力を高める活動ですが、リリースされているレンズのほとんどがフルサイズ用。ボディもそっちのが多いし、さもありなん。と思っていたら、シグマがAPS-C用のLマウントレンズをリリースしたじゃないですか。もしかしてAPS-Cのコンパクトボディが出るの? とカメラ好きがやきもきするなか、がぜん魅力を増して輝き始めたのがライカ T&TLシリーズです。APS-Cなんですよ、このアルミ削り出しのボディのヤツ。

ライカ

Leica T Typ 701
中古相場:8万円~

シグマ

30mm F1.4 DC DN
実勢価格:3万6500円

ボディの素材感が麗しくて惚れますわマジで

職人の手によるアルミ削り出しボディを持つLeica T/TL。ソリッドな仕上がりは他のデジカメではほとんどないもの。愛情を込めて、鈍器系デジカメと呼びたい。

トラディショナルなメーカーと思いきや、イノベーティブ。伝統を大事にしているメーカーだからこそ、革新にも果敢にチャレンジする。そんな企業なんですねライカって。初めてそう感じたのは2014年。この「Leica T Typ 701」のミニマルデザインに驚き、手にしたときの重さと硬さに強い憧れを懐きました。

アルミのインゴットから削り出したボディは塊感が強く、存在感バッチリ。充実の重みが手に伝わってきます。ああ、いま、いいモノ持ってるなあという悦びも沸き立ってくる。

3.7インチの大画面タッチパネルで、基本的な操作は全部指先で設定。ハードウェアコントローラはホイール2つ、シャッターボタン、録画ボタンくらいでシンプル一辺倒。EVFもありません。Wi-Fiはあるけど。

割り切りすぎた仕様で、他のメーカーじゃコレは作れないだろうなあと感じたモノです。価格もAPS-Cボディで23万円超え。レンズも軒並み20万円超えでちょっと手が出せないモノでしたが、いつかは手に入れたいと考えていました。

ちょい古デジカメといっても低ISOで撮れば問題ナシ

オレンジのカバーをつけたLeica Tと、オレンジ色に塗装した
Leica Elmar 50mm f/3.5のコピーレンズ。この組み合わせで遊びたかったのよ…。
周囲は流れているし、光が増えると一気に飽和するけど、それが味わいというもの。

時は過ぎて2020年。友人からほぼ未使用のLeica T Typ 701を4万円(!)で譲っていただき、マウントアダプタを駆使してオールドレンズやフェイクレンズの味を楽しんでいました。この価格だったらトイカメラ的な使い方でもいいんじゃないかって思って。

ライカスクリューマウントにカスタムされた、Lomo(ロモ)T-43 40mm/F4と一緒に。
古いレンズは近接撮影に弱いものが多いけど、スナップ撮影なら何ら問題なし。

eBayで手に入れたカラフルなコピーレンズ(興味がある方は「limited lens leica」で検索してみてください)や、ヤフオクで売ってた改造レンズをつけるとゴキゲンな写真に仕上がるんですよ。2014年時代のAPS-Cセンサーとはいえ、ISO800までくらいならまったくもって侮れない写真が撮れます。

2枚連続で撮影した写真をあわせる、プリミティブな手ブレ補正機能も入っていたり、当時としてはほんとにチャレンジングなカメラボディだったんですね、Leica T Typ 701。

シグマさんありがとう!3万円のAPS-C Lマウントレンズありがとう!

APS-C・マイクロフォーサーズミラーレス用のレンズとして人気のDC DNシリーズを、Lマウント仕様でリリース。この30mm F1.4 DC DNの実勢価格は3万円台だ。

そうやって楽しんでいたところにやってきた世紀の一大ニュース。シグマが3本のAPS-C用Lマウントレンズを出すというじゃないですか。あるよ! ある! 受け止められる! いま手元にAPS-CのLマウントボディが手元にあるときたら、買ってみるしかありません。

リリースされたのは16mm F1.4 DC DN(フルサイズ換算24mm)、30mm F1.4 DC DN(同45mm)、56mm F1.4 DC DN(同85mm)の3本。まずは試しに、と選んだのは3万円台の30mm F1.4 DC DNです。残り2本も4万円台で、あらお安い。F1.4の明るさを持つAF単焦点レンズがこんな値段で買えるとはいい時代になりました。

さあ、リーズナブルなコンテンポラリーラインのレンズとはいえ、キリっとした描写が得意なシグマです。ちょい古センサーとの相性はいかがでしょうか。

ぶっちゃけ、Leica T Typ 701のオートホワイトバランスは信用ならない。いろんな波長の光が入り込む場所では、マニュアルで設定したいところ。

悪くないじゃん! いやそういうと語弊がある。いいじゃん! ピント面の情報量の多さから、自然なボケで世界が溶けていく。明るいレンズの嬉しさ楽しさがギュッと濃厚です。

絞り開放なら、ISO感度を上げざるをえない室内でも、撮影に集中できる。

小さく、軽く、細くてハンドリングがいい。AFのスピード・精度など、Leica T Typ 701のネガティブな性能が露わになってしまうけど、それが気にならないほど撮影して楽しいカメラシステムになりました。

暗い場所でもレンズが明るいからなんとかなる。瞳孔がぐわっと開いたお猫さまの写真も撮り放題。

明るいレンズは正義なのだと、本当にそう感じます。このレンズがあるなら、Leica T Typ 701でテーブルフォトも楽しめる。大きく重いフルサイズカメラを持ち出さなくていいんだ、と考えると、うれしさもひとしおです。

なおこのDC DNレンズシリーズ。Lマウントのほかに、ソニーEマウント、キヤノンEF-Mマウント、マイクロフォーサーズと、いろんなマウントのものがあります。だからLeica T Typ 701でなくてもこの写りの味わいを、1本3~4万円で得られますよ。

ズームのキットレンズもいいけど、1本は明るい単焦点を。それだけで写真撮影はもっと楽しくなります。ぜひ、お試しあれ。


ライカ

シグマ

 


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