全地球規模のブロードバンドワイヤレスネットワークにより、これまで取り残されていた人びとや地域に低費用のインターネット接続を提供するAmazon(アマゾン)のProject Kuiperは、同社の最も意欲的なプロジェクトの1つだろう。プロジェクトは2020年にFCCの認可を得て一歩前進し、ハードウェアの重要部分のプロトタイプも作成した。それにより未来の顧客は、地上で衛星ネットワークを利用できる。
これは実際、Project Kuiperを広くアクセス可能なサービスにし、アマゾンのプロジェクトをユニークな優位性を持って業界をリードするポジションに置く開発に役立つ大きな部分を占めている。同チームが開発したプロトタイプは、無線周波数帯のKa帯で通信を行い、これを可能にする最小かつ最軽量のハードウェアだ。最大400Mbpsの速度を達成することができ、アマゾンによると将来的には改善されるという。
それをどのようにして達成し、それが最終設計にとって何を意味するのか。アマゾンのブログ記事は、設計プロセスを次のように説明している。
我々のフェーズドアレイアンテナは、異なるアプローチを採用している。アンテナの配列を互いに隣接させる代わりに我々は、小さなアンテナ素子の構造体を上下に重ねている。Ka帯でそれが達成されたことはこれまでなかった。この画期的な試みにより我々は、端末全体のサイズと重量を縮小でき、他のバンドよりも高い帯域とより良い性能で運用が可能になった。我々の設計では、デジタルとアナログの部位を組み合わせて、Ka帯のビームを頭上を通過する衛星に向けて電子的に誘導する。
その結果は、直径12インチの単一口径のフェーズドアレイアンテナとなり、レガシーなアンテナの設計に比べて1/3と小さく、軽量になった。この大幅なサイズ縮小で製造原価も同じく削減され、アマゾンは顧客により安価でインストールも容易な端末を提供できる。
その結果、アマゾンのKuiperの設計では、エンドユーザーがそのネットワークにアクセスするために必要な地上部分のインフラストラクチャの構築費用と複雑性を大幅に削減できる。またレイテンシーも低く、アマゾンが静止衛星を使って米国時間12月16日に行ったテストでは、4Kのストリーミングを送信できた。Project Kuiperの衛星は最終的に低地球軌道に乗るが、テストで使った静止衛星はその50倍遠い。
アマゾンはまだ端末の価格などを発表していないが、既存のソリューションよりも安いということをもっぱら強調している。TC Sessions:Spaceでは、アマゾンのデバイスとサービス担当上級副社長のDave Limp(デイブ・リンプ)氏に話を聞いてみるつもりだ。アンテナをはじめ、プロジェクトの細部についても話を聞きたい。
カテゴリー:ハードウェア
タグ:Amazon、Project Kuiper
画像クレジット:Amazon
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/12/17/2020-12-16-amazons-project-kuiper-has-developed-a-small-low-cost-customer-terminal-for-its-broadband-satellite-network/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Darrell Etherington
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