飛行機の「揺れ」に備えるためJALとウェザーニューズが共同構築した仕組みとは?

飛行機に乗っている時の「揺れ」に備えることができれば、空の旅はさらに快適になるに違いない。

日本航空株式会社(JAL)と株式会社ウェザーニューズは、「航空機の揺れ」による影響を未然に防ぐ、画期的な仕組みを共同構築した。

「揺れ情報」をリアルタイムに伝える

現在、乱気流に遭遇した航空機のパイロットは、揺れがおさまり安全が確保された後ではじめて、データ通信や無線を通じ、手動で「揺れ情報」を地上に報告するというプロセスをとる。人を介するため、報告までに時間がかかるのが課題だった。

これを解決するため、世界各国で「EDR(イーディーアール)」という技術の導入が検討されている。「EDR」とは、飛行機の揺れの原因となる「気流の乱れ」を表す指標だ。航空機のコンピュータに搭載した「EDR計算アルゴリズム」により、リアルタイムに地上へ「揺れ情報」を報告することができる、というものだ。JALは日本の航空会社として初めて、この「EDR計算アルゴリズム」を導入した。

AIエンジンが自動解読

一方、乱気流に遭遇した航空機から地上に報告された「揺れ情報」は、地上の運行管理者が、後ろに続く航空機のパイロットに通知をしており、ここでも時間がかかっていた。

JALとウェザーニューズが共同で開発し、2020年12月から運用を開始したのは、AIエンジンを用いて「揺れ情報」を自動解読する仕組みだ。これは、「揺れ」の報告があった航空機の位置や観測時間などの情報から、一定範囲内を通過中、または今後通過する可能性のある航空機のパイロットに対して、「揺れ情報」をリアルタイムに通知するというもの。

この仕組みを上記の「EDR計算アルゴリズム」と組み合わせることにより、ある航空機が揺れを観測してから、後続機へ通知するまでのプロセスを、自動化させることが可能となった。

通知を受けた後続機のパイロットは、例えばシートベルトの着用サイン、機内食提供のタイミングの変更、飛行高度の変更などの安全対策を早い段階で実施できる。これにより、乗客や客室乗務員への影響を未然に防ぐことを目指す。

JALとウェザーニューズは今後も協力体制を続け、航空業界全体の安全に貢献していくという。

PR TIMES


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