【世界の永久定番 腕時計雑学図鑑⑤】
時計の世界で誰もが「傑作」「定番」と認める腕時計には、特別な技術、人を感動させる歴史、 特別な物語があります。2021年の幕開けに、歴史や技術を継承・発展させて生まれた「現代の永久定番」腕時計と、思わず人に話したくなるその腕時計の物語をお届けします。
とてつもなく高価なものから手が届くものまで、どの時計のエピソードもモノ好き、時計好き、蘊蓄(うんちく)好きの男性なら楽しんで頂けるはず。素晴らしい18本の「時計の物語」をお楽しみください。
今回は、フランク ミュラー「ロングアイランド クレイジーアワーズ ジョーカー」を紹介します。
■「時のエンターテインメントを楽しむ」というコンセプトを生み出したフランク・ミュラー
1990年代、世界に“機械式複雑時計ブーム”を起こした天才時計師フランク・ミュラー。彼の業績は超複雑時計だけに留まらない。もうひとつの業績は、遊び心のあるメカニズムで時計の定義を “時を知る道具” から “時を楽しむラグジュアリーアイテム” に変えたこと。その代表作がこの「クレイジーアワーズ」。
普通なら右回りに1から12までひとつずつ大きくなるアワーインデックスの数字の配置が、おかしなことにランダムになっている。毎正時、つまり分針が文字盤を1周して通常の12時位置を示すと、時針がランダムな配置である、次の「時」の数字へと瞬間的にジャンプする。
この「時のエンターテインメントを楽しむ」というコンセプトは、従来の時計師にはなかった画期的なもの。時計の歴史に残る革命だ。
▲フランク・ミュラー 1958年生まれ。ジュネーブ時計学校時代から天才ぶりを発揮。1992年に自身のブランドを立ち上げ、世界的な時計ブームの主役に
▲本社工房はジュネーブ郊外のジェントゥのシャトー
■クラシックなアールデコスタイルにアヴァンギャルドな時表示機構を搭載
フランク ミュラー
「ロングアイランド クレイジーアワーズ ジョーカー」(473万円)
1920年代のアールデコスタイルの角型ケースに、大胆にアレンジした独自の「ビザン数字」を配置。クラシック&アヴァンギャルドな「ロングアイランド」に、クレイジーアワーズ機構を搭載している。ケースサイズ45×32.5mm、自動巻き、ホワイトゴールドケース、日常生活防水。
▲通常モデルの文字盤
▲クレイジーアワーズ機構を搭載したモデルは、風防まで3次元曲面の傑作「トノウ カーベックス」(写真左)や、現代的な「ヴァンガード」(写真右)にも用意されている。価格はそれぞれ231万円、346万5000円、
▲こちらは時針に加えて文字盤中央のデイト表示針も深夜0時にランダムにジャンプする「トータリー クレイジー」。「クレイジーアワーズ」の発展モデルだ
▲ケース左9時位置上のボタンを押した時だけ時刻がわかる「シークレット アワーズ」は、時間を忘れたいとき、いや忘れられる腕時計だ
※2020年12月6日発売「GoodsPress」1.2月合併号掲載記事をもとに構成しています
<企画・執筆・編集/渋谷ヤスヒト>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/348251/
- Source:&GP
- Author:&GP
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