HarvestX、ロボットによる自動授粉・収穫で果菜類の完全自動栽培を目指す

東京大学関連ベンチャーのHarvestX株式会社は、ロボットによる完全自動栽培で農業における課題解決を目指している企業。

今回は同社の完全自動栽培実現への取り組みにフォーカスしてみよう。

ミツバチの代わりはロボット

現在、レタスなど葉物類の植物工場が展開する一方で、果物類の多くはミツバチを媒介とした虫媒受粉に依存しており、受粉収穫の不安定さや飼育管理のコストが課題となっている。

そんななか同社は、ミツバチの代わりにロボットを活用する授粉・収穫技術の開発を進め、イチゴの自動栽培ロボットの実証試験機「XV1」を開発。植物工場におけるイチゴの受粉から収穫までの栽培の完全自動化に向けた取り組みを推進中だ。

「XV1」は、デプスカメラと同社開発の画像処理アルゴリズムを活用して花と果実を認識し、2種類の専用アタッチメント(特許出願中)で自動授粉・収穫を行うことができる。また、より広い農園での農作業が可能となるように、自走台車を採用しているとのこと。

「XV1」のYouTube動画はこちら

植物工場との協業体制を確立

同社は、東京大学が主催する「本郷テックガレージ」にて事業を立上げ、South by Southwest (SXSW)のTrade Show出展を目指す「Todai To Texas」参加を通じてプロダクト開発を進めてきた。

会社設立前に、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)が主催するコンソーシアム型のインキュベーションプログラム「1st Round」にて採択。会社の立ち上げ支援や事業計画策定などの支援を受け、2020年8月に会社設立となった。

そしてこのたび、東大IPCが運営する「オープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合」と、独立系ベンチャーキャピタル「ANRI 4号投資事業有限責任組合」、株式会社ReBoost 代表取締役 河合聡一郎氏、株式会社メルペイ 取締役CTO 曾川景介氏、さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中邦裕氏から総額5000万円の資金調達を実施。

投資家からはグローバル展開に期待する声も上がっている。なお、この調達は植物工場を展開する企業との協業体制を確立した上でのことだという。

完全自動栽培の技術が確立・浸透すれば、農業全体の人手不足解消や労働負担低減、安定的な食糧生産に貢献できるかもしれない。

PR TIMES(1)(2)


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