Apple Watchのアナログ文字盤、デザインの原点に機械式時計への敬意

Apple Watch デザイン
 
Apple Watchで使うことのできるアナログ文字盤のデザインの原点には、RolexやBreitling、Longinesなどの機械式腕時計があることをご存じでしょうか?文字盤のデザインにある歴史的背景や原点となっているデザインについてのエッセイをご紹介します。

5つのアナログ文字盤のルーツを解説

Apple Watchに採用されている5つのアナログ文字盤について、そのルーツとなった機械式腕時計のデザインとの比較を、デザイナーのアルン・ベンカトソン氏が紹介しています。なお、同氏は企業向け不妊治療支援サービスCarrotの共同創業者でもあります。
 

カリフォルニア

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2019年のwatchOS6で追加された「カリフォルニア」は、ローマ数字とアラビア数字を組み合わせたデザインが特徴です。
 
そのルーツは、視認性を重視し、背面の形状から「バブルバック」の愛称で親しまれたRolexのモデルにある、とベンカトソン氏は指摘しています。
 
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第二次世界大戦中に発売されたバブルバックのRolexが、1980年代に日本で起きたブームによって市場から消えると、米ロサンゼルスの企業がローマ数字とアラビア数字を組み合わせた文字盤を使って時計の修理を開始しました。
 
このデザインは「カリフォルニア」と呼ばれ、TudorsやPaneraisといった名門ブランドや、Swatch、Timexといったカジュアルブランドの時計に現在も採用され、定着しています。

 

クロノグラフ&クロノグラフプロ

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2015年のwatchOS1から提供されている「クロノグラフ」文字盤は、右上にストップウオッチのスタートボタンが固定され、12時と6時の位置にサブダイアルが配置された、クラシカルなクロノグラフのデザインを採用しています。
 
「時を記す」という意味のギリシア語に由来を持つクロノグラフは、ストップウオッチとしての機能がデザインされた、各種スポーツ向けの文字盤です。
 
ストップウォッチとして使う際、針が一周する時間は60秒、30秒、6秒、3秒から選ぶことができます。
 
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2020年のwatchOS7で追加された「クロノグラフプロ」文字盤は、クロノグラフのダイアルを囲むベゼルをタップするとクロノグラフ表示に切り替わるほか、タキメーターを選ぶと一定距離の移動にかかった時間から速度を測定することもできます。
 
クロノグラフの腕時計は、1889年にBreitlingが複数のラップを記録できるスプリット機能付き時計を、1913年にLonginesがクロノグラフムーブメントを搭載した腕時計を投入したのが始まりとされています。
 
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Rolex Cosmograph Daytonaや、初めて月に行った腕時計としても知られるOmega Speedmaster Professionalは、特に人気の高いクロノグラフ腕時計として広く知られています。
 
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カウントアップ

ダイアル周囲のベゼルをタップすると経過時間を計測できる「カウントアップ」文字盤は、2020年のwatchOS7で導入されました。
 
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数字の代わりに12個の円が配置されたこの文字盤は、Rolexの初代Submarinerとよく似ている、とベンカトソン氏は述べています。
 
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GMT

2つのタイムゾーンの時刻を知ることができる「GMT」文字盤は、watchOS7で導入されました。
 
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グリニッジ世界標準時から名付けられたGMT文字盤の起源は、ジェット機を使った国際移動が普及した20世紀半ば、PanAm航空からRolexへの依頼により開発され、1954年に登場したRolex GMT Masterにあります。
 
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Rolex GMT Masterのカラフルな文字盤は、赤は昼、青は夜を示し、第4の針が指すタイムゾーンの時間帯を把握することを可能にしています。
 
Apple WatchのGMT文字盤では、GMT Masterの色分けをベースにしつつ、第2タイムゾーンの夏時間に対応した時間帯が表示でき、より便利に使えるようになっています。
 
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機械式時計の歴史への理解と敬意

ベンカトソン氏は、Apple Watchの工業デザイン、インターフェースデザインからは、機械式時計の長い歴史に対する敬意が感じられ、尊敬に値すると述べています。
 
また今回のエッセイ執筆を通じて、Appleが原型となるデザインを表面的に真似るのではなく、歴史的背景をしっかり研究し、現代技術の制約と可能性を考慮してデザインしていることが改めて分かり、Apple Watchのデザインチームに対する敬意が増した、とも語っています。
 
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なお、ベンカトソン氏は最近、日付のコンプリケーションを組み合わせたGMT文字盤がお気に入りだそうです。

文化的・歴史的な位置付けにはAppleのデザイン責任者も苦悩

Appleのデザイン総責任者だったジョナサン・アイブ氏は、Apple Watchの開発にあたって「文化的・歴史的な位置付けが難しかった」と感じていたそうで、「開発はiPhoneよりも難しかった」と語っています。

 
 
Source:Arun.is via MacRumors
Photo:Arun.is, MacRumors
(hatp)


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