Facebook(フェイスブック)によるGIPHY(ジフィー)の買収の精査を続けている英国の競争規制当局は、英国時間1月28日、この買収が競争の実質的な減殺(substantial lessening of competition)の「現実的可能性」(realistic prospect)をもたらすかどうかについて、3月25日までに決定を下すと表明した。
公示には、「競争・市場庁(The Competition and Markets Authority、CMA)はここに、企業法(Enterprise Act)の第34ZA条3項b号に定義されている「初期期間」に従い、Facebook, Inc.によるGIPHY, Inc.の買収完了(合併)に関して、第二次審査のための照会を行うか否か決定する審査を開始するために十分な情報を有していることを通知する」と書かれている。
「したがって、本合併に関して(企業)法第34ZA条3項に定義されている初期期間は、本通知の日付の後の最初の営業日、すなわち2021年1月29日に開始される。初期期間が終了し、CMA が本合併を第二次審査に付すか否かの決定を発表する期限は2021年3月25日となる」ともある。
競争・市場庁は2020年6月に、FacebookがGIF共有プラットフォームであるGIPHYを4億ドル(約419億円)で買収したことに対する調査を開始した。
この調査により、すでに買収を完了しているにもかかわらず、製品やチームを統合したり、ともに取引や契約に取り組むなど、GIPHYをFacebookのより広いビジネス帝国に組み込んでいく活動は凍結状態となった。
Facebookは2020年5月にGIPHYを買収する計画を公表したが、それとともに、同社の写真・動画共有アプリであるInstagramにGIPHYプラットフォームを統合する計画も発表した。
しかし、これらの計画は、英国での競争監視当局による精査により今のところ保留になっている(2020年6月、FacebookとGIPHYは統合活動を一時停止するというCMAの命令に従っていることを確認した)。
これは、買収によって成長しようとするテック大手が直面する規制上の摩擦が増していることを示している。たとえば2020年、最終的には12月に取引を承認したものの、欧州の規制当局もGoogle(グーグル)によるFitbitの買収に数カ月を費やした。それも、Fitbitのデータがどのように使用されるか、そして競合相手のAPIアクセスに関連する数多くの誓約をGoogleから得た後にのみ可能となった。
FacebookとGIPHYのケースでは、英国の監視当局は、より深く、より広範な第二次審査を開始するかどうかについて2021年3月に決定する予定だ(その後、当局は最終決定を下す必要がある)。
その時点でCMAは、FacebookがGIPHYを買収することによる競争の実質的な減殺の「現実的可能性」はないと決定することもでき、そこで介入を終え、両社が統合を続ける障壁をなくすかもしれない。
規制当局はまた、他の理由で第二次審査を開始しないことを選択する裁量権も持っている。該当する市場はさらに掘り下げた調査に値するほどの重要性がないと判断するか、または合併による顧客の利益は、競争上のマイナス影響を上回ると考えられる場合などだ。
このケースでは買収されたビジネスがリアクションGIFをスワップするためのプラットフォームであることを考えると、確かにCMAは深入りする価値がないと判断する可能性があるように思える。いずれにせよ、数カ月後にもっと知ることになるだろう。
何が起ころうとも、ソーシャルウェブ上におけるFacebookの支配力に関連した規制上の懸念は、GIPHY統合の計画をすでに半年以上遅らせている。そしてこの調査はさらに長引く可能性もあり、同社のすばやく動く(そしてものを破壊する)能力に影響を与えることになる。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebook、GIPHY、買収、イギリス
[原文へ]
(文:Natasha Lomas、翻訳:Aya Nakazato)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/02/01/2021-01-28-uks-competition-watchdog-still-eyeing-facebooks-giphy-buy/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Natasha Lomas,Aya Nakazato
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