地上の交通渋滞緩和と移動手段の電動化、そして迅速な移動の実現へ向け、いま世界中で電動垂直離発着機(eVTOL)の開発が進んでいる。空飛ぶタクシーと呼ばれているものもここに含まれる。
しかし英国で現在進んでいる「Skybus」プロジェクトは普通のeVTOLと一線を画す。同じドローンでも一度に30〜50人を運ぶ大型タイプで、「公共交通機関」としての役割を担うというものだ。
パーク&ライド
世界各国で開発が進む空飛ぶタクシーなどの定員はせいぜい1〜5人だが、英国のエンジニアリング大企業GKN Aerospaceが提案するSkybusは1度に30〜50人を運ぶというもので、名称にある通り空のバスだ。
必要に応じて予約して乗車するというオンデマンド型のタクシーと違って、Skybusは公共交通機関的なアプローチを取る。決められたルートを決まったスケジュールで運航するというものだ。
たとえば通勤時間帯に運航し、乗客は乗り場まで車できてSkybusに乗り換え、目的地に移動する「パーク&ライド」的な使い方をすることで交通渋滞を解消し、スムーズで安価な輸送となるとうたう。
実現可能性を調査
ただSkybusプロジェクトはまだ機体などはなく構想の段階。英国政府などが資金を出している「Future Flight Challenge」の一環で、実現可能性を今後本格的に調査する。
実現に向けてはいくつか課題があるが、そのなかで最大のものは機体充電能力だ。これだけ大きなeVTOLを飛ばすには大型のバッテリーが必要となるばかりでなく、モンスター級の充電施設が必要となる。
GKN Aerospaceは航空機やエンジンなどを手がける企業で14カ国に48の工場を抱え、従業員は1万7000人を超える。またこのプロジェクトには航空コンサル会社Swanson Aviation Consultancy、輸送専門のアーキテクチャやデザインを専門とするPascall+Watsonなども加わっている。
気候変動を背景に脱炭素化が進むなか、注目を集めるプロジェクトとなりそうだ。
- Original:https://techable.jp/archives/147672
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:mizoguchi
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