パンデミックによる輸送遅れを防げ〜Appleの「グローバル」輸送戦略

Fedex
 
新型コロナウイルス感染症により、自宅で過ごす時間が増え、iPad需要増へとつながりました。ところがパンデミックで飛行機の便数は減り、輸送に影響が出ています。
 
Appleは自社製品の発送の遅れを防ぐため、驚くような手法を取っていると、有料メディアThe Informationが伝えています。

空箱を米国から中国へ航空便で輸送

Appleの輸送事情に詳しい人物によると、中国でiPad需要が急増、Appleのシンガポールにある配送センターではiPadを収める箱が在庫切れとなりました。
 
これらの箱は中国で作られていますが、その時点では米国の倉庫にしか在庫がなかったそうです。
 
そこでAppleは、大量の箱を中国行きとシンガポール行きの航空便に乗せました。シンガポールへ向かった箱は、そこの配送センターでiPadが詰められ、さらに中国へと送られました。
 
ちなみに中国の顧客のほとんどはApple以外のストアでApple製品を購入するため、Appleは中国に配送センターを設置していないのだそうです。

2,300キロのトラック輸送、さらに高額な輸送船を利用

わざわざ空き箱を米国から中国やシンガポールへ送るという発想に驚かされますが、Appleはこのほかにも、コロナ禍のため通常ではありえない輸送方法を使っている、とThe Informationは報じています。
 
ある時、船便がキャンセルされ、ベトナムからカリフォルニアへ輸送されるはずだったHomePod miniがベトナム・ハノイ近くのハイフォン港で足止めとなりました。
 
しかしAppleは、発売日である2020年11月16日前に米国へ届ける必要があったため、ハノイから約2,300キロ離れた上海の港までトラックで輸送。そこで通常利用する貨物船が、上海からカリフォルニアまで4週間かかるところ、2週間で到着可能(ただし非常に高額)な輸送船を使い、無事発売日に間に合わせたと、輸送に詳しい人物が語っています。
 
米メディア9to5Macによると、Appleは現在、Fedexなどの貨物配送企業を米国の配送センターとして利用し(つまり在庫を持ってもらい)、顧客から注文が入ったら直接発送できるようにするという計画を進めているとのことです。
 
 
Source:The Information via 9to5Mac
(lunatic)


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